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諫早干拓地を自転車で通り抜ける方法

サるくリング~自転車散歩
06 /11 2023

 自転車で、諫早の市街地から島原半島の北目の方へ向かうには、やはり国道57号線が一番早いのだが、小野の先から森山周辺は、片側1車線で路肩がほぼ無い所を大量のクルマがバンバンすっ飛ばして来るので、五百円くれても走りたくない。


 ほぼ人がいない歩道を走る事も可能だが、段差や凹凸が多くてムダに疲れる。歩行者を避けるために車道と歩道を出入りするのも危ないし、クルマもなかなか途切れない。歩道の多くは片側にしかないので、逆走になる方向では車道へは出られない。
 向こう側へ渡ろうとしてもクルマが多くてなかなか渡れないし、横断歩道も少ない。
 非常に面倒、小手、大外刈り一本!
(衝動的に書いてるだけで特に意味はないようです)


 10年前から同じ事を言っているような気もするが、要するに、昭和の田舎の道路は自転車が走ることは1ミクロンも考えられていないという事だ。
 裏道も少なく、あっても途切れ途切れだし、大抵は田んぼと集落を大きく迂回して国道に戻るだけなので、結局あまり進んでおらず、ムダが多い。


 新しい自動車専用道が完成すれば、少しは状況も変わるかもしれないが、あまり期待はできないだろう。

 自分はと言うと、もっぱら「諫早干拓地」を通っている。

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 クルマも少なく、スパーンと開けた景色もよいし、稲の成長や、畦に咲く花、渡り鳥たちにも季節の移ろいが感じられ、スーパージャイアントおすすめコースだ。

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 しかし、干拓地の道路は、基本的に埋め立てのたびに追加されたあぜ道であり、一般車両の通行に便利な構造ではない。
 適当に進むと、ものすごく遠回りになったり、違う方向へ曲がって行ったり、長い直線の先で水路に分断され、400mくらい泣きながら戻ったり、暗くなると明かりが無いので、水路に突っ込みそうになったり。実際に突っ込んだり。


 似たような所が多くて道を間違いやすく、毎回、まったく同じコースを走るのはなかなか難しい。
 だだっ広いのに思うように進めない、謎の巨大迷路のようだ。 

 まあ、便利すぎると多くの車両に抜け道にされるので、地元の営農者も迷惑だろう。

 

 だがしかし、国道がウンコである以上、こちらもリスクを避けて安全な道を走る権利があるはずだ。
 せっかく自転車で走りやすい道なので、どげんかして最短コースで走れんものかとあれこれ考え、ひとつの方法に辿り着いた。

 諫早の市街地から島原半島方面へ向かう際は、東に見える雲仙岳を目標にするのは言うまでもない。
 干拓地を通る場合は、そのほかに目印にすべきものがある。小野島町と森山町にひとつずつある、巨大なカントリーエレベーター(穀物の貯蔵庫)だ。

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 遠くからもよく見えるので、これを目標にすれば効率よく干拓地を抜けることが出来る。

 仲沖町のヤマダ電機やまるたかの辺りから、住宅地化が徐々に進む田んぼの真ん中を進み、新半造橋を渡る。すると前方に干拓の里公園の木立ちが見える。

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 その奥に、小野島町のカントリーエレベーターが見えているので、まずはそこに向う。


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 広めの車道をそのまま走れば自然に着くが、クルマを避けたいなら、新半造橋を渡ってすぐ左に曲がり、堤防道路を走って干拓の里正面に出る事ができる。

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 堤防道路は散歩コースとしても快適。


 干拓の里の敷地を過ぎてすぐ右に曲がり、工場の裏みたいな所を抜けたら広い道に出る。そこから右折して少しだけ進み、イセキとクボタの間を左折して斜めの道を進むのがクルマも少なくてよい。距離はほとんど変わらない。
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 カントリーエレベーターの脇に出たら、雲仙岳方面に進む。

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 すると今度は、森山町のカントリーエレベーターが遠くに見えてくるので、それを目指して進む。

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 その少し左手には、建物がクリーム色で扉が青色の、大きな水門がある。

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 これは二反田川(にたんだがわ)に設置された「万灯樋門(まんとうひもん)」
 「まんとうヒヒえもん」とかでは無い。(いや誰もそんなことは‥)

 コースはここを通る。
 
 樋門と森山のカントリーエレベーターに近づいてきたら、必ず「樋門の左側」から回り込む。
 二反田川は途中に橋が無いので、右だと国道までいってしまう。

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右カーブで三叉路になっている所を、まっすぐ細い道に入る。

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 突き当りの三叉路を左折。カントリーエレベーターが近づく。

 ここは、過去に田んぼへ勢いよくジャンプした車両がいたように思える。  

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 左に行くと古い堤防に着くので、上って堤防沿いに進む。正面には雲仙岳。

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 背後には多良岳。

DSCF7159A.jpg 堤防の向こうの農地は、数十年前までは干潟の海だったところ


 埋め立てによる地盤沈下でコンクリート舗装が割れているのでハマらないよう気をつける。

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 ※堤防の荒れた道を走りたくなければ、さっきの三叉路から右折してすぐに水路を渡り、左へ進んでもよい。

 
そのまま進み、万灯樋門を横切る。

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その先にある森山のカントリーエレベーターの前を過ぎる。

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そこに、森山町漁協の「解散記念碑」が建っている。

 干拓のギロチンで棲み家を失い、天を仰ぐムツゴロウとアゲマキ貝。

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 記念碑から左折し、雲仙岳の方へ。

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 途中、カーブはあるが、道なりにずっと進むと、島鉄の線路と自動車専用道路の高架に近づく。


 右側に青い鉄パイプの水門があり、水路を挟んで三叉路のような格好になっている。そこを、左斜め前へ進む方へ曲がる。踏切の手前のあぜ道からでも行ける。
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 自動車専用道に沿って進むと、有明川に架かる自動車専用道路の高架橋の下をくぐる堤防に着く。
 ここは夏でも日陰で風が通るので、たわしはよくここで小休止している。

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 そのすぐ近くに、高架橋と並ぶように、えらく狭くて長い橋がある。クルマ一台がぎりぎり通るこの橋は、一部が水門になっていて、洪水や高潮の際のダムの役割を持っているらしい。

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 この橋を渡ると、雲仙市愛野町。

 すぐ左に曲がって、自転車なら通れる堤防沿いの遊歩道を進む。

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 道路はヒビ割れが多いので、夕方に暗くなったりして不安な場合は、下のあぜ道を走るとよい。

 堤防をぐるりと回ったら、島鉄の踏切を渡り、ちょっとだけ国道に出る。

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 左折して短い橋を渡ったら、すぐに左折して、また踏切を渡る。

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 ここはもう、雲仙市吾妻町。
 また田んぼのほうへ下りて、あぜ道をクランク状に進む。途中の橋が盛り上がっているので、勢いがついてジャンプし、着地の瞬間に股間を強打しないよう、ゆっくり走る。

 阿保名の集落の踏切を渡らず左へ進む。広い道に出たら右折。


  その先は、吾妻町の干拓地が広がっている。なるべく旧海岸沿いの旧道を行けば、坂をえっちらおっちら登ることなく、ほぼ平坦地で島原市まで行ける。


 では、歩行者にも気をつけて、ご安全に
よい旅を。




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旧道をゆく 諫早-大村 

サるくリング~自転車散歩
06 /27 2017
大正から昭和にかけて発行された長崎の地図が
手に入ったので、当時の主要道路をルートラボに
トレースし、実際に走ってみる事にした。



(※右クリック、新しいウィンドウで開いて見ると、
どこの話かわかりやす子です)


まだ自動車が普及していなかった頃の道路を見ると
いろいろ発見があって面白い。

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現在は人通りさえない細い道が主要道路だったり、
中途半端な意味のない側道が、旧道の跡だったり。

大きく開発された所は、細かい部分の道の繋がりが
判らないので、古い航空写真などと見比べて推測、
判断し、ルートを書き込んでゆく。

もう、この作業だけで結構楽しい。
新しい遊びを見つけた子どもと一緒。

何より金がかからないのが一番よい!

だがこういうマニアックな趣味は、なかなか人には
理解されない孤独なものだ。

淋しい時は、お気に入りのぬいぐるみに、赤ちゃん
言葉で話しかけながら作業をするといいだろう。


今回は、諫早から大村へのルートを辿ってみまちゅよ。
 

まずは、諫早駅近くにある、諫早神社をスタート。
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そばに架かる四面橋を渡る。
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河川敷は遊歩道。以前は時々自転車で散歩していたが
最近は来ない。道はきれいに補修されているようだ。

本名川沿いの東側の道を北上する。
しょっぱなから、まさかのルート。
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ここが昔は幹線道路だったとは。

諫早駅の裏(西側)の方は、線路と狭い路地しか無かった。

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川沿いの岩屋観音社。何か様子が変。
そうか、入口の大きな赤い鳥居が無いぞ!
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これはどうした事だ!鳥居窃盗団ZXに盗まれたのか?

コンクリートの鳥居だったが、中心には、木材の芯が
入っていたようだ。中の木は古い鳥居なのだろうか。

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生き埋めポッキー工法と名付けた。

どうやら上の方が崖の補修工事中で、重機が入れるよう
鳥居は一旦撤去されていたようだ。
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昔、この並びにあったスナックが面白かった。
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若くは無いママと従業員は、客がカラオケを歌うと
ふたり並んで 「エイッ!」と言って拍手をする。
「イェーイ!」と言ってるつもりらしかった。

忙しい時は、何か作業をしながら無表情のまま
「エイッ!」と言うので、さらに面白かった。
昔はよく笑っていたなあ。

JR高架橋の付近まで、河川敷の遊歩道が続く。
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真ん中にある中古車屋さんの右側が旧道。
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何でこの脇道が存在するのか、初めてわかった。

以前、ここへクルマ探しに来たことがあったが、
ほとんどのクルマにコケが生えていた。
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オヤジに話しかけられる前にダッシュで逃げた。

ここは中洲になっていて、湿気が多いのだろう。


右奥には、多良岳山系の山々。
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左側、川の向うに旧国道34号線。現在は県道に格下げ。
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新幹線の高架もだいぶ出来ている。


ここ、本明(ほんみょう)地区は、諫早で一番早く開けた
稲作の集落と言われている。
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秋には、たわわわに実った稲を見るのが楽しみ。その割に写真は無い。
(※これは10年以上前に撮影したもの)


その水田のド真ん中を、新幹線が横切っていく。
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なんだかなぁ~


この道は、けっこう地元のクルマは通るのだが、
いまだにガードレールは無い。
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もしもクルマにぶつかりそうになった時、
川に飛び込みやすいようにだろうか。


平松神社の前の道から、橋を渡って川向こうへ。
ここは地元の人以外は通る理由がない橋。
自転車で通るのも3回目くらいかも。
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JRと旧国道34号線を横断し、細い裏道へ。

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崖下の狭い土地に、取り残されたような建物。
何かの店舗だったのか。
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旧道は、左奥の細い道!


ここが主要道路だったとは、お天道さまでも思うまい。
そりゃまあ、太陽が思考するはずも無いが。
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その前に、ほとんどの人はこの道を知らないだろう。


県道の横に出る。対面通行の細い道なので、県道から
見ると、クルマが歩道を逆走しているように見える。

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崖の下の細い土地に家が並ぶ。
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山から下りてくる今の国道の高架橋は、片側2車線の
予定だったが、住民の反対で片側1車線に縮小。
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橋桁も道路の敷地も、半分は使われないままに、
30年以上が過ぎた。
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旧道はその下の日陰を通る。


滅多に来ることのない谷間の辻に仏様。
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旧道の横の道だが、いい雰囲気。
たぶん、右が弘法堂、左が馬頭観音。それと円を
描いた石碑があるが、何なのか判らない。


今まで見た馬頭観音の中で、一番優しい尊顔。
摩耗の影響もあるのかもしれないが。
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諫早中心部は、こういう野の神仏に関するまとまった
資料が無い。誰にも判らなくなる前に地元の協力を
得て、記録を残した方がいい。

これは前回も言ったか。


ここからしばらくは国道34号線を進む。
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この先は片側が崖で、片側は谷。ルートの変えようが無い。
やっと2車線になり、自転車もだいぶ走りやすくなったが、
まだ途中まで。


鈴田峠を越えると、右側に長崎成田山長大寺がある。
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旧道は、大岩を右に回り込むので、この敷地に
入り込んでいたはず。

犬コロが狂ったように吠えるので、噛み殺されそうで
奥の方まで見に行けなかった。


大岩の向こうには、最近リニューアルされた
道の駅 長崎街道鈴田峠
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実際は旧長崎街道からははずれているのだが、
黙っておいてあげよう。


旧道は、大岩の奥からこの敷地内に出て
くるはずだが、そんなに広い場所は無い。
どうなっているのだろう。

駐車場奥の崖の上に、白いものがチラッと見える。
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(^ρ^) パンツだろうか?

いや、ガードレールかもしれない。
旧道のものが残っているのかも。

崖をあっちからこっちから登ろうとするのだが、
もう、おじいちゃんなので足が上がらない。

勢いをつけたら、カメラが崖にガン!と当たり、
りゅう◯ぇるのような声が出た。

仕方ないので、駐車場から丸見えだが、国道側から
崖の上の植え込みの奥をガサゴソと進んで行った。


うむ、やはりガードレールだ!
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残念!パンツではなかった。

予想通り、旧道は道の駅の駐車場の奥からぐるっと
回り込んで、また現在の国道付近に出ていたらしい。

と、言うことは、旧道のあった土地をぎりぎりまで
削って、道の駅の敷地を広げたという事だろう。

茂みから出てきた私のズボンには、バカと呼ばれる
草の種子がいっぱいついていた。
また庭に見知らぬ雑草が増える事になりそうだ。


そして旧道は、「キッチンすずたとうげ」の敷地に
入って出て行く。戦後の航空写真でそう判断した。

この敷地内のカーブは旧道の名残りだったようだ。
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「ベルギーワッつル」とはどんな食べ物だろう。
絵はワッフルのようだが。


ちなみに国道34号線は、最初、道向こうの道路公園の
崖沿いを通っていたが、カーブがきつかったためか、
途中で現在のルートに変更されている。
確か、わしらが若かった頃の事じゃったと思う。


JRのトンネル上を過ぎたら、左折して踏切を渡る。

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この先は、諫早から続く旧長崎街道の一部。

大神宮は、以前は古松権現という神社だったが、
明治の神仏分離令で、大神宮に変えられた。
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社殿は崖の上。急な石段を登っていく。


古松権現は高いところから谷間の集落を見守って
いたのだろう。
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今は高速道路の高架の方が高いけれど。
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国道を横断して鈴田小学校の方へ向かう。

国道は交通量が多く、自分ひとりのために仕事中の
人のクルマを信号で止めるのは、ちょっと気が引ける。

朝の出勤時に、散歩中のじいさんが押しボタン式
信号でクルマを止めるので、「散歩は朝の5時から
せんかーい!」
と思っているからだ。

誰だか判らないように、レジ袋に目鼻口の穴をあけ、
頭にかぶって渡ればいいかもしれない。
しかし、半透明の袋だと顔がバレるので、まず顔を
迷彩色に塗ってから袋をかぶるといいだろう。


鈴田川に出たら川沿いに国道まで真っすぐ行くのだが、
予定のコースは新幹線の工事で通行止め。
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しかたなく迂回。間違って鵜飼いしないように注意する。

セブンイレブンの先から国道へ出る。
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海側へ横断したいのだが、信号が無いのでクルマが
切れるまで待つ。しかし夕方の混雑で全然切れない。
3分くらい待っても切れない。

結局分の方がキレて、けっこう遠い横断歩道まで
戻ってやっと渡った。今度は当然のように渡った。


JRの踏切を過ぎて鈴田川に架かる橋を渡る。
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河口の水田地帯は、そろそろ黄昏れ時。

岩松駅に夕陽を浴びて佇む列車は、ななつ星だった。
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単線なので、列車待ち合い中らしい。

ああ、一度くらい、こんな贅沢な列車で旅に出たかったなあ‥。


しかしこれで、時間的に3月の散歩だった事がバレたようだね
明智くん!ハッハッハ、また会おう!


コースは川沿いをしばらく進み、また川の向こうへ戻る。

一本はずれたこの道は、まずもって通ることはない。
近道でもないし、道がいいわけでもないから。
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しかし、実際に走ってみると、まっすぐ県道の踏切に
出る事がわかった。今の国道がなければ最短コース。

それに、水門越しの夕陽の光景もなかなかのものだった。
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ここは県道だが、新しい道路ができてからは、JRの
踏切の向こうが歩道になって、クルマは行き止まり。
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何年か前、ゴキブリのような真っ黒の実用オートバイで
無理やりここを横断するオヤジがいたが、熊のような
強そうなオヤジだったので見ない振りをした。


夕暮れがきれいで、アホみたいに写真を撮りまくった。
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国道へ出て、丘の手前にあるGSから海側へ曲がる。

こっちは以前よく通った裏道。最近は何度も曲がるのが
面倒になり、真っすぐ丘を越える事がほとんど。


市街地に出て、大村公園へ。海岸のところでゴール。
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おつかれでちゅ。


大正時代の道は、細くて曲がってのんびりした道だった。
現代の道は、スピード優先、効率優先のせわしない道。

散歩するなら断然、暮らしが感じられる旧道がいい。


ここ最近、町はまた急速に姿を変えている。
まあ、みんな昔から少しづつ変わってはいるのだが。

自分達の時代に出来て、もう無くなったものも多い。
好きな風景が知らない内に消えている事もある。
寂しくなる事がだんだん増えてくる。

でも、変わってゆくスピードに対抗する方法もある。
好きな風景を、もっともっと探して増やせばいい。

そう、出来る限り、散歩をするしか無い!

きょうも散歩人SAMPARは、町を、村を、山を往く!


う~ん、今回はちょっと、諸行無常を感じる散歩だったかも。

伊王島を一時間だけ散歩

サるくリング~自転車散歩
03 /30 2016
日曜日は、遊びに行く家族をクルマで長崎市内まで送り、
2時間半後にお迎えに行く間、散歩することにした。

一日中晴れの予報だったのに、空は暗く沈み小雨が落ち、
風もびゅうびゅう吹きつけて肌寒い。

雨はあがるだろうが、まったく散歩日和ではない!

まあ、とにかくどっか行こう。2時間半で見れる所へ。

午前10時半、コイン駐車場を出発して、
何となく、南へクルマを走らせる。

雨は止んできたが、強い西風が吹きすさぶ中、女神大橋を
散歩する気にはならない。有明海の時と同じになってしまふ。
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そのうちにだんだん青空が見えてきた。

江川町の野母半島サイクリング道路入口は、
標識があるがわかりにくく、いつも通り過ぎてしまう。
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一度スタート地点を見てみたいと思っていたのでちょっと
寄ってみよう。

50m先と書かれた標識を過ぎる。確か学校の所だったはず。
きょうこそ、あ、学校。


通り過ぎた‥‥‥。


戻るのも面倒くさい。他の所に行こう。しばらく走りテキトーに
右折して住宅街に登っていくと、頂上には晴海台団地方面と
深堀・香焼方面への分かれ道。

そうだ、伊王島には行こう行こうと思いながら、
なぜかまだ行っていない。

よし行こう行こう!決定!

途中、大籠(おおごもり)町の山あいの神社に寄る。
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桜も咲き始めていた。
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この辺りから見下ろす海岸風景もなかなかよい。
でも写真は、無い!

深堀へ下りて狭い路地を抜け、香焼(こうやぎ)の
町を通って伊王島大橋へ。

橋の手前に道路公園があったのでクルマを停める。

すでに11時半。

1時間も滞在できないが、天気もよくなったので
ちょっとだけ島へ渡ってみよう。
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もちろん自転車で!

貨物スペースから折り畳み自転車を出して出発。
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伊王島大橋は、2011年に開通した。
それまでは大波止から連絡船で渡っていたそうだ。

おお!なかなかキレか海ばい!

野母崎まで行かなくても、南の海のブルー

さすがリゾートで売り出しているだけの事はあるわい!


島に到着。
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港から望む長崎市街方面(ズーム)。女神大橋が横たわる。
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崖の上には、ゴシック様式が美しい馬込(まごめ)教会。
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手ごめ教会では無い。

夜は美しくライトアップされるらしいが、
今の一言で台無しになってしまった。

伊王島はカトリック信者の多い島。
昔、キリシタン弾圧を逃れて、外海方面から移住した
人もいたと聞く。

馬込という地名は、馬がたくさんいるという意味だが
そういう時代があったのだろうか。
ネットで調べたが何も判らなかった。

島内にはリゾート施設が作られ、多くの観光客で賑わう。
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レンタル電動アシスト自転車があり、坂道サイクリングもOK。
ノルディックウォーキングの団体様も歩いていた。
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歩道いっぱいに大勢歩くのでけっこうジャ


ここはただの小さい漁港なのに、何とものんびりした景色。
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その先にある伊王島海水浴場。なかなか広くていい感じ。
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おねえちゃんの二人組が、すごい楽しそうに
波打ち際でキャハキャピして遊んでいた。
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この非日常感!今頃の季節なら思いっ切り
ポケーと寝っ転がれる。千々石よりゆっくり出来そう。

奥の方は自然の景観を残したまま公園になっている。
瀬もあって、釣りをする人も多い。
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岬のはずれには灯台公園があるらしいのだが、
今回は山登りしている時間がない。
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渚のボードウォークに佇むダホン・ボードウォーク。
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それがどうしたと言われれば、ぼくドラえもん
答えるしかない。(う~ん、これは前に使ったかな?)


ふと砂浜を見ると、さっきのおねえちゃん達の
リュックに、カラスが近づいている。

そして、クチバシでフタを器用に空け、中を漁る!

イカーン!弁当のにぎり飯を盗られる!

おねいちゃん達は遥か向こう側で気づかない。

仕方ないので私は浜に降り、ンガホホー!
叫びながらカラスを追っぱらう!

カラスはグゲェー!と慌て、お菓子を咥えて逃げた。

それから私は浜の一番向こうまで自転車で走り、
被害者にカラスの襲撃を教えた。

これでにぎり飯はもう大丈夫だ!


伊王島は、伊王島と沖の島というふたつの島の総称。
陸地から見て、手前が沖の島。沖の方が伊王島。

ああ!ややこめんど!

ふたつの島の間は細い瀬戸になっていて、三本の
橋が架かっている。

東側の橋の近くの水の中に、赤い鳥居が見える。
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その奥には、小さいながらも端がもんのすごく
反り返った石の鳥居がある。

こんなに反り返った鳥居は、滅多に見ない。
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近づいてみると龍宮社だった。

中央の石の社殿には、丸石が祀ってある。
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潮珠 (しおたま)なのだろうか。

脇にはえびす神の石像が並ぶ。
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鳥居の近く、水路の中に鎮座するカラーのえびす神。
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この近くの深堀町には最近、極彩色のえびす様が
多数祀られている。その影響だろうか?

それにしても、どうやってお供えを持っていくのだろう?

ハンググライダーだろうか。


島の西側にも海岸道路がある。

車線が無理やり過ぎ。堤防だからといって
まったく油断できない。
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さあ、もう地球へ戻らなければ。

銀河鉄道の線路のように、天空に向かって伸びる橋。
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どうせわたしゃ、金無い・ヒマ無い・あても無い、

無い無い鉄道スリー無いん。 (←解読不能)

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家族を迎えに行き、別の場所へ送り届けてから
出島に戻ると、雲が低く暗く垂れ込めてきた。
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変な天気じゃわい。 さっきまであんなに晴れておったのに。


うん、確かに束の間の幻の様な、伊王島の散歩ではあった。


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休肝日を守れる強い意志が欲しい私。


早春の有明海沿岸を、北風に向かってドM散歩  

サるくリング~自転車散歩
03 /24 2016
有明海は、長崎・佐賀・福岡・熊本の四県に囲まれ、
干満の差が6mもある広大な干潟が広がっている。

山から流れ下った栄養分が注ぎこむ豊穣の海は
海苔の養殖が盛んで、牡蠣やあさりも、ん~~、
んま~いっ!



有明海沿岸は干拓地が多く、道路はほぼ平坦。
最短コースなら130kmちょっとなので、日帰りで
ぐるーっと一周まわることも可能だ。

長崎~熊本間は有明フェリーで渡る。

ずっと走ろうと思いつつ、実現できなかったので
今回、行けるところまで行ってみることにした。

このところ自転車は散歩程度しか乗っておらず、
足の筋肉も落ちているので無理はしない。
もちろん輪行で帰れるよう準備した。


そして連休2日目の日曜。

きょうは一日中、北風が強いという予報。
これは最悪!どっち回りでも半分は向かい風。

でも行くもんね。人生は短いんだ!

今回は反時計まわりにした。佐賀まで行けば
列車は夜中まである。

8時20分。 諫早の自宅を出発。

国見町多比良港のフェリー乗り場を目指し東へ。

北風の予報だったのに、けっこう向かい風だ。
おじちゃんのうそつきぃ!と言いながら走る。

天気はいいが、霞んでいる。
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すでに脇道散歩モード。


吾妻町の広い田んぼ道まで来たが、風は一向に
収まらない。それどころか前からびゅうびゅう
吹き付けるので鼻水が止まらない。

平均速度20キロで行けば休憩しても2時間かからずに
到着するのだが、向かい風のため進まない。


モクレンはそろそろ終わり。桜はまだつぼみ。
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春を探しながら行く。
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イヤ、そんな余裕はない!

神代の海水浴場はゴミだらけだった。
掃除してもキリが無いのかもしれない。
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波が高い。風が強いからだ。正面からの‥


やっとこ、すっとこ、ひょっとこどっこい、多比良港に到着。
もう、11時前。
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11時10分のフェリーは満車で乗れなかった。
次は1時間後の12時10分発になる。

クルマは二便待ちという話だった。
やはり連休で移動が多いようだ。
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13時に着いても、佐賀まで行くならあまりいろいろ
見て回れないだろう。それはつまらない。

予定を変更して、島原観光でもしようかとも
思ったが、それなら熊本観光のほうがいい。


まあ、とにかく荒尾港に渡ってから考えよう。
それが散歩というものだ。
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自転車を含めた乗船料は620円。自転車は実質180円。
安い!


バイクに続いて乗船。
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自転車は物置きスペースにゴムひもで固定される。
ついでに載せてやるぜという感じ。
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でも安いのでぜむぜむOK!


天気がよく、甲板でカモメのエサやりを見て過ごす。
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エサ用のパンを売っているらしい。
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沖から見る雲仙は、やはり大きくそびえ立っている。
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肥の国は元々火の国だと言われるが、その中心部は
海から見えない阿蘇ではなく、雲仙ではなかったか。


45分で熊本の荒尾港に到着。

祝!自転車で熊本へ初上陸!

やはり北風は強く吹いている。さてどこへ行こうか。

まずは荒尾の海岸に出る。

だだっ広い干潟の沖には、海苔の養殖と思われる
無数の支柱が立ち並んでいるのが見える。
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写真では判らないが、見渡す限りの柱!

干上がった泥海に傾く船が、妙にシュール。
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ところで、潮が引いたにせよ満ちたにせよ、船の所まで
どうやって行くのだろう?

人間大砲だろうか。


近くに畑も無いのになぜかテーラーが停まっている。
海を見にドライブに来たわけでもアルマーニ。
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そうか、これで収穫した海苔を運ぶわけか。納得!


荒尾海岸は、水鳥の生息地として重要な湿地を守る
ラムサール条約湿地に、2012年に登録されたそうだ。
それは素晴らしい!
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でも、風が強いので薄情に裏の松林の道をゆく。
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海岸近くには長崎と同様、海の神である八大龍王
祀られている。
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長崎では、龍王の頭の上から龍が顔を見せているが、
ここでは竜王の胴に龍が巻きついている。
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そして、龍がカワイイ
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長崎の蛇踊りのように玉を持っている。


えびす神もあちこちに見かけた。
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まいう~の人では無い。


荒尾市内には、町なかの道路端に古い墓が沢山あった。
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よく判らないが、何となく頼もしい会だ。

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う~ん、それは捨てている訳ではなくて‥

荒尾の競馬場。白ポストもあるぞ!
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荒尾市を過ぎると間もなく、福岡県大牟田市。

祝!自転車で福岡県初走行!


向い風の中、三池炭鉱の三池港へ向かう。

月が出た出たの炭坑節で唄われたところ。

2015年7月、
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
として、一部が世界文化遺産に登録されたそうだ。

ここには、石炭を多く採掘していた時代に作られた水門の、
三池港閘門 (みいけこう こうもん)がある。
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残念ながら、散歩記は真面目でクールなブログなので、
見に行こうけ肛門。などといった下品なボケは無しだ。

有明海は干満の差が大きいため、一万トン級の大型船は
底がつく恐れがあった。そのため、開閉することで水位
の調整ができる水門を作ったという話。

海側の公園からよく見える。
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奥の丘の上には展望所が設けられ、地元のガイドさんが
いて詳しく説明してくれた。

大牟田市は福岡と言っても最果ての地。町おこしに力が
入っているようだ。今度、炭鉱列車も復元して展示する
と聞いた。


さらに北上する。こうなったら佐賀の肥前山口駅まで
何とか走ろう。

町の中の普通の川に、いきなり大きな水門がある。
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河口に並ぶ漁船の桟橋の高いこと! 満潮だと
水位はかなり上までくるのだろう。
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平野の中、少しだけ丘になったところを通ったのだが、
それでも峠扱いされているようだ。
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あとでルートラボで調べたら、なんと、標高19mだった。

飲み物の販売機が並び、アダルトDVDも置いて
多角経営している。
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こっそり堂のように、こっそり出店しておらず、
堂々と売っていた。

堂々堂と名付けた。


川を渡り、みやま市に入る。

みやま市高田町江浦というところの道端で
見かけたえびす神。
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神像の台座部分に、

南高来郡山田 彫刻 石工 川原久男 とある。

山田と言えば、現在の雲仙市吾妻町だ。

時代は新しそうだが、これは有明海のはるか向こう岸の
人達同士の交流があったという記録でもある。
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むかしの人々の繋がりがいろいろ想像できて面白い。

矢部川に架かる矢部川大橋。有明海沿岸道路の一部。
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メチャクチャ金かかってそう!!

自転車は走れないので隣りの橋を渡って柳川市へ。


向かい風をまともに受けないよう、路地を適当に
北西へ進むと、いきなり観光地のような所に出た。
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北原白秋の生家がある水郷柳川の中心部だった。
川下りの舟もいる。
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おお、ここがそうか。遠いむかしに来たことが
あるような無いような。。

でも時間がないので素通り。

北原白秋の名作と言えば、やはりちゃっきり節に
あわて床屋、万歳ヒットラー・ユーゲントだろう。


ほどなく福岡県大川市。

家具で有名な町。最近では中国から輸入した家具も
売っているそうだ。三池港に陸揚げされるのだと
地元のガイドさんが暴露してくれた。

ずいぶんユニークなお菓子をつくっている。
にんにく飴に、アロエ飴!
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でもこれはまだいい。

大川木工せんべいが気になる!あ~気になる!
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検索してみたら、丸いせんべいに家具の木目の
模様が入っているようだ。

いろいろな賞をもらっているようなので
美味いのだろう。


川幅の広い筑後川に架かる新田大橋。
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上流の方に、赤い筑後川昇開橋が見えている。
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これも産業遺産で、石炭を運ぶ鉄道橋の跡。
現在は観光用の歩道になっていて渡れるらしい。

ここにも寄りたかったのだが、今回はもう無理。
また今度ゆっくり見に行こう。

新田大橋を渡ると佐賀県。
と思ったら、まだ大川市だった。

ええ?筑後川を渡ったのに何で?

地図をよく見ると、大きな中州でそこは大川市。

中洲の先に県境の早津江川があり早津江橋が架かる。
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そこを渡れば、いよいよ佐賀県佐賀市。

日もだいぶ傾いてきた。


有明海沿岸の干拓地の地図を見ると、海童神社と
いう神社が点在している。多い所は集落ごとにある。

海童というのは、海の神であるワダツミのミコの
事だろう。

稲作をする干拓地に何で海の神様なのか考えた。
やはり昔の手作り堤防が波風で壊されないよう、
海の神様にお願いしたのではなかろうか。

調べたら、その昔、龍造寺隆信が、すぐに決壊する
堤防を増築させ、鎮護の神として祀ったという
話が伝わっていた。
(さがの歴史・文化お宝帳より)

昔の人の気持ちが少しだけ解ったような気がした。


時間がないので海童神社は一ヶ所だけ寄った。
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本殿内には何もなく至って普通の村社。

ただ、公民館らしき建物があり、町民の生活の
拠り所であっただろうことは想像できた。


JR肥前山口駅までは、あと18キロ。
ほぼ西向きなので、向かい風では無いのだが
もう日が暮れる。
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見知らぬ町の夜は、危険が危ない!超ダンガー!

肥前山口駅より佐賀駅のほうがだいぶ近いのだが、
方向は真北!真っぽうし向かい風。

ああ、どっちもどっち。

う~んどうしよう。

結局、暗くなる前に着きそうな佐賀駅に決めた。

北風の吹く中を北上。やっぱり西がよかったかもと
3回くらい思いながら進む。

向い風も、だんだんどうでもよくなっていた。
風に押し戻されながら、ハアハア苦しんで走るというのも、
ドMなマニヤにはアハ~ンなのかもしれない。


駅に着いて時刻表を見たら、19時01分発の長崎行き
普通列車がいる。

今何時だ?時計を見ると、18時55分。

あーっ!あと6分しか無い!これはムリ!

折り畳み自転車なら間に合うのだが、普通の輪行だと
6分で収納して切符買ってホームへ行くのは不可能だ。

あきらめて、19時38分発の特急白いかもめに乗った。
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ネットで見た最後部座席の背もたれの裏に自転車を
入れようとしたが、誰かが紙袋を下げていたために
入れられなかった。

反対側は背もたれを倒されていたために、せまくて
入れられなかった。

仕方なく、軽食コーナー(閉店)のカウンターの所で
立ったまま自転車の番をすることに。
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いずれにしても自由席は満席だった。

特急での輪行は折り畳み小径車の方がいいだろう。


佐賀から諫早まで一時間。自由席料金2,400円。

家で調べたら、うひゃあ!2,400円かぁと思うのだが
なぜか乗るときには高いと思わない。

旅の心理と言うやつだろうか。

乗らんと帰れんからだろうか。

20時38分 諫早に到着。
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あとは酒を買って帰るだけ。


結局、向い風もあって合計100キロも走っていなかった。
その割には漕ぎまくって足が疲れている。

熊本から佐賀まで、平均速度たったの13.2キロ!
これは山岳地帯をゆるゆる走る時の速度。


それでもまあ、今回は熊本と福岡を初めて走れたし、
熊本側の有明海沿岸の様子を見ることが出来たので
大変よかった。見に行こうけ肛門。も見れた!

5千円のGPSロガーで、進んでいる方角を表示するだけの
画面
が、知らない街でスゲー役に立つ事も判った。

自転車は向かい風に弱いという事も改めて実感した。

そして、その晩のお風呂は、最高ォ~!に気持ちよかった。

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小長井から太良まで、ちょっと走る

サるくリング~自転車散歩
02 /08 2016
大雪のあとの休日、佐賀の太良町へ調べものに出かけた。

午後から庭に出ると、雪が20センチくらい積もっていた
ビオラが見事に復活していて、アピョ~ン!と驚いた。
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冬に咲く可愛らしい花の、真の強さを見た気がした。

長田バイパスをクルマで北上。
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心の汚れた者にはワイパーがサビているように見える。
これは茶色のクレヨンで塗っているだけだ!

天気がよくてもったいないので、小長井町の道路公園に
クルマを置いて、あとは自転車で行くことにした。

最近はクルマに26インチの自転車を積みっぱなし。

エコでは無いが、そのままの状態で積んでいるので、
サンダーバード2号並みに機動性バツグン!


県界を越えると、佐賀県藤津郡太良町。

いつも気になるのが、高台の国道から見えるこの海岸。
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海水浴場のようだが、行った記憶は無い。

Googleの地図では右側の集落から道が続き海水浴場で
行き止まりになっているが、どうも左側の堤防道路からも
行ける気がしてならない。

帰りに時間があったら探検して見よう。


太良町は佐賀の最果ての地であるためか、道路整備も
後回しのようだ。

表面が象の尻状態のうえ、細かい砂利が無数に散らばる。
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たまらず歩道に逃げるが、歩道も砂利だらけ。


国道207号線の、諫早市から佐賀県鹿島市までは、
ほとんどがJR長崎本線と並走する海岸道路。

昔の街道は、海沿いに道を作ってもすぐ壊れるので、
山の尾根を通っていた。海岸道路は新しいものだ。

右側の国道は切り崩して道をつなぎ、左側のJRは
トンネルを掘って線路を伸ばしている。
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若いころはクルマの運転も楽しいもので、この道を走り、
佐賀の背振山を越え、福岡まで遊びに行っていた。

あの頃は、高速道路はまだ全線開通してなかった。

廃墟になった観光ホテルの沖は、のり養殖場。
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モノホンの有明海苔は、香りが違ーう!
食べる前につい、スーハースーハー嗅いでしまう。
トリップして有明海の不知火の幻覚が見える。

粉にして軽く炙ったものを、ガラスパイプで
鼻から吸引したいくらいだ。 (ダメ!)


太良町歴史民俗資料館に立ち寄る。
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自転車で来たので、すでに15:30。
資料館は、あと30分しか見れない!

コロッケがやる五木ひろしの早送り動作で行動しよう。

ここには有明海ならではの漁具などを展示してある。
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潜水漁を行うための装備
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近代の海苔すき機
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昭和の民具なども多い。

懐かしい五右衛門風呂の釜!
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子供の頃住んでいた、長崎市内の家は五右衛門風呂だった。

湯船に、円形に組んだ木の板を浮かべ、その上に静かに足を
かけて中に沈めながら入った。

途中で板のバランスが崩れると、板はタテになって浮き上がり、
股間を強打する。危険な構造だった。
う~ん、いい思い出だなあ~

30分では見きれなかったが、面白いものが沢山あった。
ゆっくり時間をとって見に行ったほうがいい。

今回、一番ホヘヒー!と思ったのは、むかしは太良町全体が
佐賀藩諫早領だったという事実。
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明治の佐賀一時消滅事件は知ってたが、これは知らなかった。

「諫早歴史物語」をよく見ると、同様の地図があった。
特に本文では触れられてなかったため気づかなかった。
郷土歴史ファンの間では常識なのかもしれない。

元は同じ佐賀藩諫早領なのに、なぜ県境が変わったのだろうか。


役場近くの旧道で、観音・弘法堂と書かれた御堂を発見。
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観音像の他にも、崩れかけた石仏や石塔、形象石など
祀る人がいなくなったような神仏が集められている。
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これは弘法大師像。
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清原像では無い。

こんなコワモテの弘法さまも珍しいが、修行僧なので、
実際はこんな感じだったかもしれない。

平成二十一年に寄進された木像のようだが、奉斎者の
手彫りなのだろうか。


帰路、例の海水浴場に続いてそうな海岸の堤防道路を往く。
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舗装されてはいるが、冬だというのに草が茂り放題。
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段々不安になってきたが、あっさり到着。
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やはりワシの説は間違うてはおらんかったのじゃあ!

これで丘をひとつ越えなくて済む。

この白浜海水浴場は、人工の海水浴場との事。
そう言われればそうだ。本来は干潟のはず。
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なかなかキレイなところだ。

向こうのほうでアベックが黄昏れていた。

入口側から出ようとしたら、チェーンが張ってある。
冬場は立ち入り禁止なのだろうか。もったいない。


太良はもぐり発祥の地。
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何だか誤解されそうな自慢だが、もぐりと言うのは
潜水して貝を採ったり、護岸作業をする潜水夫の事。

本場なので、もぐりの潜水夫はいないのだろう。

肥前大浦あたりは国道がせまく、路肩がほぼ無い。
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県界まで戻ってきた。
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17時を過ぎていたが、小長井漁協の直売所がまだ
営業していたので、小長井牡蠣(大)を1kg買った。
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カゴつき自転車のメリットを活かせるところだ。

ここで売っている有明海の海苔佃煮が美味い!
余計なものが入っていないなくて風味がよい。

無かったので訊ねたら、牡蠣で忙しくて作るヒマが
ないとの事。ここで作っていたとは知らなかった。


小長井のフルーツバス停はけっこう有名になった。
スイカ、メロン、いちご、柿などいろいろ。

その中で、これだけが何なのかハッキリせず、長年
我々の間で議論されてきた問題だった。

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りんご、ザクロ、サクランボ、赤カブなど、様々な説。

しかし、最近になって 「たぶんトマトだろう」という
結論に至った。

よく見ると、葉っぱが家庭菜園のトマトの葉と同じ形だ。
作者はデカいヒントを残していたようだ。


気が滅入っている時は来ないほうがよさそうな、
淋し~い、淋し~い、小長井の海岸。
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自転車を、ボロくないしサビてないサンダーバード2号に積み、撤収。

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今夜は基地で牡蠣焼きじゃ!

Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。