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いなちゃり サブハンドル最新版

いなちゃり
03 /04 2023

 自転車散歩も、パロマが流行してからは滅多に行く事がなくなった。(パロマねぇ~)

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 最近は買い物ひとつにしても別の移動手段を使っており、以前に比べると出撃回数は大幅に減っている。だが、自転車に乗るのをやめてしまった訳じゃあない。

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 1月に長崎に雪が積もって、諫早でクルマ200台が放置されるという、激烈にみっともないニュースが全国に流れた日も、自転車で会社へ行った。(2年振りにね)

 新雪で、凍りついてなければ自転車でもそうそう滑りはしない。無理してチェーン無しのクルマで行ってたら、200台のうちの1台に数えられていたかも知れない。


 いなかの散歩に最適な自転車「いなちゃり」についても、細々と検討と実験を繰り返している。中でも、自分が以前からこだわっているのが、サブハンドル。


 ハンドルに、補助的なサブハンドルを追加する事で、長い距離をどんだけ楽チンに走れるかを追求してきたのだが、最近やっと、そこそこ納得のいくものが出来た気がする。


  「いなちゃり!快適なハンドル」記事を見る

 以前、サブハンドルの記事を書いてから、もう二年の月日が流れてしまった。祖国には誰も私の事を知る人はいないだろう。  

 だが、かつてのモホホリア大陸の覇者、誇り高きポポニペ・パピヨンペ族の末裔が、この懐かしきセント・ジゴンスダス島に命の炎を燃やした証として、続きをここに記す事としよう。

(あぁ~、どうでもいい~)

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 前回は、エンドバー付エルゴグリップ仕様のハンドルにサブハンドルを追加すれば、最強の「楽々スイスイ自転車」が完成するのではないか?というところまでだった。


 これは以前、アラヤのツーリング車フェデラルにつけていた、自作のサブハンドル。Uの字に切ったカマキリハンドルの根元にバーエンドバーを取り付けたもの。

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 エンドバーを横向きに握り、カーブの部分に手のひらを乗せることで、長距離走行時の手の痺れや痛みを緩和できる。


 また、サブハンドルに持ち替えることで、走行中に上体が起きてリラックスした姿勢になり、首や腰の負担を軽減すると共に、周りがよく見えるようになる。


 長らく物置に封印していたが、これをまた使うときが来たようだ。

 

 まずは、先端の使わない部分を切り落としてコンパクトにした。重量も少し減るし、カゴの荷物のジャマにもならなくなる。

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 これで調整しながらしばらく走ってみた。やはり、ゆっくり流す際に上体が起きることで「走りながら休める」ため、なかなか快適だった。

 しかし、走っていると物足りなくなってきた。もっと上体を起こしたい。


 ドロップハンドルの前傾姿勢からサブハンドルに持ち替えると、大きく上体の角度が起きるが、フラットバーからだと、それほどでもない。

 サブハンドルがもう少し高い位置ならいいのだが、ベースがカマキリハンドルだと、高低差は、支えるブラケットの取付ピッチ最大50mmと、上に起こした角度の分だけ

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 それと、今回なぜか無意識に、サブハンドル両端のカドの部分を、クルマのハンドルを持つように10時10分の位置で握ろうとしている。カドなので握りやすくはないのだが。


 バーの先端を切ったので、そういう持ち方が出来るようになり、その方が自然に持てると脳味噌が判断したのだろう。確かにスピードを出しても安心感がある。


 そうか、そうだったのか、オレ。気づかずにごめん、オレ。(お前は誰なんだ)


 これらの結果を踏まえ、バージョンアップを進めた。 



 そしてこれが、最新のサブハンドルじゃあぁあ!!

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 今回は、ハンドル自体に高低差があるライザーバーを使った。20mm以上高くなる。

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 これにエンドバーを、上から見て10時10分に近い角度になるよう取り付ける。ライザーバーを普通の向きにすると、エンドバーがまっすぐになってしまうので、前後を逆にして使う。握る部分も体に近くなるため、さらに上体が起きる。

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 そして、最も自然な持ち方になるよう、試走しながらエンドバーの位置と上下の傾き角度を調整し、ライザーバーを切り詰めた。


 エンドバーは少し上向きにすることで安定感が増す。また、手前に引きつけやすい角度にする事で、ペダリングに補助パワーを加えられる。

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 バーテープは全体に巻き、ライザーバーの部分にも手のひらを置けるようにした。手の痺れと痛み対策だ。

 緊急の際、瞬時に持ち替えてブレーキをかけられる事も考慮した。 


 コンパクトになった分、さらに重量も減った。


 それほどカッチョ悪くもないだろう。

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 走ってみると、快適な上に安定していて、上り坂でもグングン踏み込める。ブレーキレバーをつければ、これだけでも良さそうなくらいだ。


 ただ、力が掛けられるという事は、ブラケットにも負荷が掛かるはずなので、強度に注意する必要がある。変な音や感触があったら、即、点検だ。

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 とにもかくにも、走らんと意味がないので、次の週末は出かけようと毎週のように思うのだが、あれやこれやしている内に時間がなくなり、遠出どころか、調べものも買いものも、原チャリで行く事になってしまっている。

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 よし、きょうこそゼッタイ出かけよう!

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いなちゃり! 快適なハンドル

いなちゃり
04 /26 2021
 いなちゃりとは、田舎での使用を前提に造られた自転車型スーパー散歩兵器のことである。
 2017年に 「いなちゃり」というカテゴリーをつくり、2回だけ記事を書いたのだが、疲れた、眠いなど諸般の事情で、それ以来ほったらかしだった。
 今さら誰も待っちゃいないが、自分さえよければいいので、少し時間があるうちに続きを書いてみる。
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 自転車のパーツの中で、ハンドル・ペダル・サドルは、操縦する人間が直接触れる重要なインターフェイス部分になる。

・ハンドルは、進行方向を変えるだけでなく、ペダルを漕ぐ際、腕で押え、引き上げることで、より多くのパワーを伝達し、ゴイゴイ前に進むことができる。

・ペダルは、言うまでもなく自転車の一番重要な入力装置。無ければ地面を足で蹴って進むしかなく、サドルで股がすりきれて血まみれになってしまう!
 「阿鼻叫喚の血股」と名付けた。

・サドルは、ママチャリなどではイスと認識されているが、効率よく長時間走るためには、ハンドル・ペダル・サドルに体重を分散させる必要がある。そのため、自然と尾骨を軽く乗せるような感じになる。
 また、サドルは、汗ばんだ汚い尻を、右に左にこすりつけられ、時には温泉たまごのような臭いHey!を噴射されることもあるため、誠に同情の念を禁じ得ない。がんばれ!サドル。

 自転車の使い方に応じて、これら重要パーツの選択・調整をしっかり行えば、一段と快適に走ることができるようになるはずだ。
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 今回は、散歩用自転車のハンドルについて、これまでにたわしが行ってきた、ムダな研きゅうの中身を公開する。  (ムダなのね)

 自転車のハンドルは、ザックリ、下記の3タイプに分けられる。

①タテに持つもの ドロップ、セミドロップ、ブルホーンなど
②ヨコに持つもの フラットバー、ライザーバーなど
③斜めに持つもの プロムナード、ママチャリ用ハンドルなど

 ドロップハンドルの優れている点は、状況に応じて、ブレーキレバーのブラケットに手をかけるタテ持ちと、前傾姿勢が深くなる「下ハン」、そしてヨコに持つ「上ハン」を使い分け、効率よく走れること。そして、持ち替えることで、疲れを緩和し、手や腕の局所的な痛みも抑えられる。

 ドロップはスポーツ車用であり、基本的に前傾姿勢になるので慣れないと辛い。しかし、上記のメリットがあるため長距離走行も楽になる。
 なので、ランドナーなどツーリング系の自転車にも採用されている。

 ドロップハンドルで、ランドナーバーというタイプは、両端のタテ持ち部分がハの字形に開き、上面の曲がり部分が盛り上がっている。
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 ブラケットを軽く持った際、普通は親指だけで支える感じだが、これは手のひら全体で包む格好なのでリラックスできる。日東の最近のカタログでは、ツーリング用という表記だ。

 現代のロードバイクのハンドルは、ブレーキレバーとシフターが一体化したStiレバーとやらに合うアナトミックシャローというタイプが主流のようだ。
 自分は、幅が広めで両端がランドナーのようにハの字になった特殊なシャロータイプを、改造ツーリング車に使っていた。Stiレバーは、買えなかった。
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 いい感じだったが、リーチがホントに短いため、ブラケットポジションを調整すると上ハン部分も遠くなり、あまり上体を起こせないのが不満だった。

 セミドロップは、むかしのフラッシャー付き少年自転車の定番だったが、これが意外と走りやすい。体重も分散されていい感じだった。
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 ただ四つん這いに近い体勢になるのでスピードを出して急ブレーキをかけたらツンのめりそうで恐い。ハンドルを高めにしたり上下逆にすると緩和されるが、確実にカッコは悪くなる。

 セミドロップ風の変わったものをネットで見かけて使ってみた。
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 上下どっち向きにしても、ステム固定部とグリップの高さが同じなので、楽でツンのめらずカッコ悪くなーい!となる予定だった。
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 最初はよかったが、少し距離が伸びるとスピードが出しにくく疲れることが判った。ハンドル幅が広くグリップ角度が中途半端なせいか、うまく力が伝わらない。

 ドロップの下ハンを使う機会が少ないのでブルホーンバーも試してみたが、これはドロップとは別物と思ったほうがいい。近距離なら快適で上り坂もいけるが、バーテープだけだと長距離で必ず手や肩が痛くなった。ちぎったタオルを重ねて痛みを緩和したこともあった。
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 一旦、後側に曲がりこんだものも試したが、やはり長距離では落ち着かない。手のひらが乗る面積が狭いからだろう。

 そこで、ランドナー用のハンドレストでこういう細工をしてみた。
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 しかし、今度はハンドレストが手のひらに食い込んで痛い。

 バーテープの下に敷くゲル状のクッションも試したが、バーテープの隙間からにょろにょろひっと出てきて、何度も巻き直すことになった。
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 結局、ブルホーンは自分の使い方には向かないようだ。


 フラットバーは、元々マウンテンバイクに採用され、クロスバイク系のスポーツ車にも使われるようになったものと記憶している。
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 普段ドロップハンドルばかり使っていると、上り坂などで力を入れた際にハンドルも左右に大きく振れ、慣れるまでまともに走れない。慣れても今ひとつ踏ん張れない。
 そこで、エンドバーが追加されるようになったのだろう。しかし、腕を大きく開いた状態でタテ持ちしてもやはり思ったように力は入らない。
 それが判っている人は、最初からフラットバーの両端を切り詰めて使うのだろう。
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 また、フラットバーに真円のグリップだと、手首が不自然な角度になる場合が多く、手が痛くなる。厚みのあるエルゴグリップを使うと握る角度が変わり、けっこういい感じになる。エンドバーが一体のものなら尚よい。
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 現在のメインの散歩自転車はこの仕様にしている。
 
 ただ、グリップなどは見た目が同じでも、メーカーによって材料や品質に差があるかもしれない。ゴムの表面が溶けてベタベタしたりするので注意が必要だ。中国なら、ニセモノのニセモノが存在していてもおかしくはない。

 ライザーバーは、フラットバーよりバックスイープ角度(後ろ側の曲がり角度)がついていて自然に持てる。
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 なので、折りたたみ自転車やシチーユースのオサレ自転車などにも広く使われている。ただ、見た目が地味なので好みが分かれるところだ。

 ライザーバーには、スポーツ車用に、15度くらい角度がついてカッコイイものもある。 たしか、日東 B245AA
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 これはなかなか使い勝手がよかった。ゴム製のエルゴグリップを合せ、いきなり諫早から島原半島一周140キロくらい走ったが、手が痛んだような記憶はない。しかしエンドバーをつけるには長さが足りず、つけたとしても不自然な角度になるだろう。

 ライザーバーはスイープ角度はいろいろあるので、ヨコ持ちと斜め持ちの境界が、ちょっと曖昧になる。
 
 プロムナードの場合は、全体の幅が広く、ゆったりリラックスして走れるため、平地の散歩には適している。反面、上り坂では腕の力を使えず、じゅうぶんなパワーをペダルに伝えられない。

 散歩自転車 RITEWAY パスチャーの純正ハンドル。大きくラウンドしていて見た目はゆるいが、平地では意外とガンガン漕げるものだった。
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 カマキリハンドルなどは、平地でも力が入らない。特別な訓練や修行とかでなければ、坂の多いところで使うのはやめたほうがいい。

 プロムナードでも、けっこうタテ持ちになるものがある。
よさそうな気がして使ってみたが、握る部分が、クランプ部からかなり後のほうにくるため、ハンドル先端がひざに何度も刺さりそうになる上、腕の力も使えない。
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 どうしても使うなら、ステムをすんごく長いものにして全体を前に移動すればいいが、そんなムダなこと試す気にもならない。

 あと、フレームと同様、材質によっても手に伝わる振動や衝撃は変わる。田舎は道が悪いので古い鉄ハンドルが良かったりするが、重いのが難点。現在のスポーツ車はほぼアルミ合金なので、硬めだが軽くできている。
 カーボンは貴族用なので、無い。
 
 いろいろやってみて、何でもこなせる理想のハンドルというものは、たぶん存在しないということが判った。
 だが、あきらめたらそこで試合終了だ。(何のヒネりもねえのかよ)

 自分としては、少しでもをしたい一心で、サブハンドルを追加する方向で実験を続けている。

 最初にやったのは、散歩自転車のプロムナードバーにフラットバーを追加して、向かい風の抵抗を減らす作戦。そこそこ役に立った。
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 ドロップハンドルに追加すれば、な~んと、3階建てになる。
 ロンドンバスが横に並んでも、余裕で「フッ、勝ったな‥」とつぶやける。
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補助ブレーキは不要だった。もう少し軽ければGood!
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 ブルホーンに追加したら、使い勝手うんぬんより、カッコ悪すぎて早々に引っ込めた。
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ギドネットレバーも試したが、グラグラするしレバーも細くて使いにくかった。

 セミドロップにサブハンドルを追加したもの。
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 ブルホーンを合わせたものは、かなり快適だった。
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しかし、目立つのと、重くなるのと、死ぬほどカッコ悪いと思われているかもしれない!という考えがよぎり、この自転車を処分して以来、採用していない。
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 ゆっくりでも長時間走るなら、ハンドルは、持ち替えることより手が痛くならないことを優先させたほうがいい。
 手が痛くならないようにするには、やはり、ハンドルに触れる面積を広くすることと、グリップやバーテープの適度の厚みと柔らかさが一番効くだろう。

 現時点では、この中国製のエンドバー一体エルゴグリップが価格も重量も含め、ベターな選択だと思って採用している。
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 古いものにこだわらず、新しい技術を取り入れてみることも必要という事。

 ハッ! だったら、これにサブハンドルつければ、最強ということか?

 それまだ、やってなかった! 

いなちゃり! ②いなちゃりを計画する

いなちゃり
08 /26 2017
やぁ~~~~っとこさ、二回目!


まずは、前回のいなちゃり記事のポイントをおさらいしよう。


いなちゃりとは何か?

それは、いなか道を気持ちよく遠くまで散歩できる自転車。

これからは、いなちゃりの時代だ!


そして、いなか道の問題点を挙げた。

次のような内容だったと思う。

・田舎の車道は、自転車が走れる構造になっていない。

・古く狭い国道では大型バスは自転車を物理的に抜けない。

・路側帯が凸凹ガタガタで、自転車はまっすぐ走れない。

・道路の割れ目に砂を詰めてごまかしてある。

・役所の前に、切った細い竹をバラまこうかと思う。

・山の上で食べる弁当はおいしい。

・会社の駐車場内でイノシシの親子がついに目撃される。

・路上の犬のウ◯コを除けるのがだんだん上手くなる。

これらを踏み、いや踏まえて、いなちゃりの話を進めていこう。



いなか自転車「いなちゃり」には、具体的にどんげんふうな
自転車が適しているのだろうか。

散歩自転車と言っても、人によって使い方は異なる。

自宅から10キロ圏内の平地だけ散歩する人もいれば、
標高千メートルの山を越えて、毎日二百キロ散歩する
人もいるだろう。(いねえよ)


まずは、自分の使い方をよく考え、求める条件
具体的に挙げてみよう。

わしの場合はこうだ!

①ストップ&ゴーが多い散歩で扱いやすい。

②気楽に乗れて、ムリのない乗車姿勢で長時間走れる。

③乗り心地がよく、そこそこ速く移動できる。

④凸凹道や段差、未舗装路でもOK牧場。(今時かーい!)

⑤峠を楽に越えられる。

⑥汽車での輪行も可能。


相反する点はどこかで妥協も必要。何を優先するかに
よって仕様は変わってくる。

ぜいたくを言えばキリがない。しかし自分でいろいろ考えて
理想に近づけるのも、自転車趣味の大ごみというものだ。


そして、選んだのがコレ!

 RITEWAY パスチャー 380サイズ 2014年モデル

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これまで散歩記にはちょくちょく出てきている。

女子向けのスタッガードフレームで、
26インチHEタイヤのクロスバイク。

これならスカートの時でも大丈夫だ!


では、なぜこれにしたか、条件ごとに確認していこう。


①ストップ&ゴーが多い散歩で扱いやすい。

単に「小径車は漕ぎ出しが楽」というのは正しくない。
タイヤの直径まで計算に入れた同じギヤ比であれば、
ペダルを踏むチカラも同じはずだろう。

フフッ、以前は、わしもそう思っていたんじゃよ。

だが実際、止まったり走ったりの自転車散歩をすると、
タイヤ径の小さい方がじぇ~んじぇん、扱いやすい。

なんでだろう?? ナナナ、ナナナ‥(←発作)


自転車は、車輪の回転が上がると車体が安定する。
ジャイロというやつだ。
車輪が大きいほど、安定するまでに時間がかかる。

これは、コマや皿まわしを考えると解りやすい。

ウチにあるクロスバイクUC5は、純正タイヤの
700C-32Cサイズの時、ちょっと重いギヤにして
いると、登り坂の発進でよろけそうになる。

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700Cで太いタイヤは、大車輪すぎて日本人の体格に
合わんだろうと思っていたが、年寄りの事に限らず
近頃はそういう意見をよく聞くようになった。

発進のたびに、安定するまでペダルを踏み込みながら
バランスを取るのはムダに体力と神経を使い、疲れる。

小さい車輪の場合は、車体が早く安定するので
実際に必要な力も少なくて済むはず。
そのため扱いやすく楽に感じる。

そういう事なのだろうと思う。

ただ、止まらず走り続けるのなら、回転が落ちにくい
大きな車輪のほうが有利になってくる。
どこに線を引くかだ。



②気楽に乗れて、ムリのない乗車姿勢で長時間走れる。

パスチャーは、ママチャリ風なので、速く走らんと
カッコ悪いとか、中学生に抜かれて恥ずかしいとか、
登り坂で押していたら情けないとかいう事が皆無だ!

皆無!皆無!皆無!皆無! 皆無 レッサッソーン!!

そう、自意識から完全に開放されて君はもう自由だ!

思う存分、歩道をチンタラ走るがよい。


パスチャーの380サイズは、適応身長が145~165cm。
小さめだが、ジオメトリを見るとゆったり乗れるはずだ。
前後の車輪間を長くとってあり、直進安定性もよい。
これは、旅行車としての素質があるという事。

実際は、お買いものを想定して、カゴに荷物を
積んでもふらつきにくく設計してあるのだろう。
これなら一升瓶や大五郎のボトルも積める!


RITEWAYのようにフレームのジオメトリを公表して
いると、机上での比較検討や予測がしやすい。

ハンドルもけっこう低くなるので、サドルと同じ
くらいの高さにすれば、ムリなく体重が分散され、
長距離走行しても首や手や尻や膝や玉之浦ゆなど、
局所の痛みが出にくい。



③乗り心地がよく、そこそこ速く移動できる。

私は重たいおっさんなので、それを支えて衝撃を
吸収するには、体重と比例する太いタイヤが必要。

それに、道路が凸凹の上、歩道の段差が直角な
クソ田舎では、太めのほうが何かと安心だ。


太いタイヤは、モッサリしてよく走らないように
思われがちだが、必ずしもそうではない。

一般的なママチャリは26(または27)×1-3/8という
タイヤサイズで、タイヤ幅は約35mm。

このサイズのタイヤは、指定の空気圧が軒並み
300Kpa。それだけ入れてタイヤを指で押しても
まだむにゅんと柔らかい。

これでは軽快に進まない。無理して圧を上げると
チューブがパンクするリスクが高まる。

パスチャーの26×1.5サイズのタイヤ幅は約38mm。
ママチャリよりも3mmほど広い。

私が使っているパナレーサー・パセラタイヤの
空気圧は最大450Kpa。ここまで入れるとけっこう
硬くなり、重い私が乗っても軽々と進む。

軽い人がそれで走ると跳ね気味になるかもしれない。
荷物を積んだ状態で丁度いい位だろう。

私の場合は、私自身が重たい荷物なのでうるせえ
ほっとけーい!

(↑本人セルフギレ)


そしてパスチャーはアルミフレームなので軽い!
メーカー公表値:11.5kg(スタンド含む)
軽ければダッシュもよく、登りでも軽快に走る。
長距離になると差がよく判る。

アルミフレームは鉄フレームよりたわみが少なく
エネルギーロスが少ない分よく進むと言われるが、
乗り心地は硬くなる傾向。

しかし、太いタイヤと軽量スチール製フォークで
振動や衝撃は緩和されるはずだ。

これは以前持っていたMTB風アルミフレームの
自転車に26×1.5サイズタイヤをつけていた時の
経験からそう予想した。


ウチにあるクロスバイクUC5は、柔らかめの
クロモリフレームに、細めの25C高圧タイヤで、
楽に速く走れるようにした改造ツーリング車。

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パスチャーはUC5とは逆のアプローチで、
軽快さと快適さが両立できるはずだと考えた。



④凸凹道や段差、未舗装路でもOK牧場。(二回目かーい!)

もしもわたしが、道のきれいな都会で自転車散歩を
するのなら、小さな車輪を選んだでしょう。


以前は20インチ小径車をメインの散歩車にしていた。

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折り畳みのダホン・ボードウォークも散歩に使いやすい。

低速のコントロール性がよく、小回りの利く小径車は、
自転車散歩に向いていると思う。


しかしある晩、小川町のリンガーハットの駐車場の
段差が見えず、正面からドカン!と歩道に乗り上げ、
プシゅウううぅ~~とパンクしてしまった。

小径車の限界を感じた。小径車は操縦者のミスを
カバーしてはくれらっさんとですたーい!

それから、未舗装路や砂利の浮いた峠の下り道では、
やはり大きい車輪の方がコントロールしやすく
危険を回避できる可能性が高い。

いなちゃりには、小径20インチの採用は見送った。
どんどんジジイになる事も考え、安全第一で行く。


低速の散歩で扱いやすく、安定性と走破性と
乗り心地のバランスがよい26×1.5サイズの
タイヤが、いなちゃりには最適だろう。

このサイズはタイヤの選択肢が多く、将来、
仕様を見直す場合も、少し細いサイズや
1.25サイズにも変更しやすい。



④峠を楽に越えられる。

2016年以降のパスチャーは、フロントシングルで
後だけ8段変速に仕様変更されている。

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実際の所、平野部ならそれで充分かもしれない。

だがしかし ここは地の果て 長崎県。
隣町へ行くためには峠を越えなければならない。


わしの2014年式パスチャーは、フロント3速。
クランクギヤは小さめで、42T、32T、24T。

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最初は、42T?ショッボー!と思ったが、使ったら
特に不足は感じなかった。
だいたい、ムリに頑張り続けても足が続かん。


リアは、11Tから30Tの8速。フェデラルと同じ。
ギヤが急に飛んではいないので、違和感がなく
走りやすい。

F:24T×R:30Tの超軽いギヤは必要なさそうだが、
筋肉を温存できるので、次の日クタクタで仕事が
できないという事態を避けられる。

だいたいクソ重たいおっさんを乗せて峠を越えるの
だから、軽いギヤがあって困ることは無い。
 

あと、坂道はゆっくり登るのであれば、車輪の径は
小さいほうがいいと思う。

ごく低速で坂を登る場合、車輪の慣性力が働かない
ため、漕ぎ出しの連続に近い状態
になるからだ。

皿回しの皿は、小さめの方が楽なはず。



⑥汽車での輪行も可能。

都会のヤングは汽車と言っても判らないだろうが、
田舎は電化されていない所が多いので、電車でなく
ヂーゼル機関車がメイン!

汽車は、蒸気機関車の事だが、電車ではないので
田舎ではヂーゼル車も「汽車」と呼ぶ。

年寄りに至っては、電車のことも「汽車」と呼ぶ。
そう。新幹線もだ!どうだ、まいったか!


輪行が出来れば、行動範囲がグググーンと広がる。
でも、グググーンという音がするわけではない。
耳を澄ましても無駄だ。

折り畳み自転車なら気楽に輪行が出来るのだが、
26インチHEサイズでは、よい候補が無かった。

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今回のいなちゃりについては、輪行の利便性より
トータルでの使い勝手を優先し、輪行については
可能ならヨシとした。



パスチャーに決めた理由は、だいたいこんなところ。

似たような候補もあったが、フロントギヤがシングル
だったり、リヤーのギヤーが、性能と拡張性が低い
ボスフリーの7段変速だったり。

RITEWAYというメーカーは初めてだったが、まじめに
よく考えて作っている事がわかった。


次回は、パスチャーが実際どうだったか、そして
もっと使いやすくするために行った改造や装備に
ついて書く予定。

シーユー ネクストイヤー!

いなちゃり!①田舎道の罠

いなちゃり
07 /06 2017
2009年の春、私は自転車で近所を散歩する事を突然思いつき、
軒下に放置していたMTB風自転車に舗装路用タイヤを履かせ
買いものが出来るようにカゴも取り付けた。


死ぬほどカッコわるい自転車誕生の瞬間だった!
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 うへぇ~~!イジ変なかぁ~!


それから始まった私の自転車趣味も、
早いもので、今年で9年目になる。

いろんなタイプの安い自転車を、自分が使いやすいよう
怪造しては試走し、何度も「だめだこりゃ」を繰り返した。

近所の散歩も、自転車だから発見できる事があった。
うろうろし過ぎて不審者を見る眼で見られもした。

県内外の漁師町を訪ねてまわり、いりこを試食した。
史跡調査にも出かけ、暗いヤブの中をさまよった。

日帰りツーリングにもハマった。溝にもハマった。
険しい山を、歯を食いしばり、自転車を押して登った。


今、うちの破れテント小屋の中には、出番の少なくなった
ボロ自転車が溢れている。

・ランドナータイプで質実剛健だが、重くて輪行もしづらい
 アラヤ フェデラル
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・速くて快適だが、気楽さに欠けるクロス改ツーリング車
 ブリヂストン UC5
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・列車輪行以外は滅多に使わない20インチ折り畳み小径車
 DAHON ボードウォーク
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・バス輪行に飽きて忘れられかけた14インチ折り畳み小径車
 FIAT AL-FDB140
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・捨てられないが、再生する理由もうすい20インチ小径車
 (半分分解されている) マイパラス M-702
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この他に、現在メインで使っている自転車が2台ある。

全部で7台。ボロチカ・セブンと名付けた。(いいから処分せい)


私は別に、自転車がいっぱい欲しかったわけではない。

いろいろ試して、絞り込んでゆくつもりだったのだが、
手放してから「残しときゃよかった~」と思うので
なかなか捨てきれない!

貧乏性というやつだ。しかも本当に貧乏ですし。

どうだ、まいったか!かわいそうなら何かくれ!

クレクレ、クレッ!


(↑心も貧乏)


しかし、自分が一番求める自転車というものについては、
最終的な方向性は、ほぼ決まりつつある。

それは、このクソいなか長崎において、快適かつ快速に
お散歩を楽しめる、究極で至高のデラックスな自転車。

名づけて、いなちゃり!チャリ チャリ チャリ‥(←エコー)


これから、自転車型スーパー田舎散歩兵器
いなちゃりについて、検討したこと、実行したことを
書いていく予定。


いなかはクルマが少ないため、自転車でのっどか~な風景の
中を、気持ちよく走る事ができる。
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しかしその一方、都会のお友だちにはとても理解できないような
スーパーデンジャラスな幾多の田舎トラップが潜んでおり、
常に危険と隣り合わせだ。

まずはそれを確認しよう。


☆田舎道の自転車あるある!

・進行方向と平行に、見えにくい段差があり、ハンドルを
 取られてヨロけ、慌てまくってチビりそうになる。
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・進行方向と平行に、溝ぶたのスリット(長穴)があり、
 細いタイヤだと綺麗にハマって股間を強打する。
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 タイヤーのエイヤーも抜けてしまう。


これはヒドすぎ!
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ランドナー用の太いタイヤがスッポリ!


・国道の下りカーブに細かい砂利が散乱しているので普通に
 走ってもドリフトできる。慌てるとコースアウトもできる。


・舗装路が古くてガタガタなので、のどに手を当てなくても
 宇宙人ごっこが出来る。
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また、軽く転んでも血まみれになれる。


・路面が割れまくっているが、「まだ全然大丈夫じゃん」と
 いう事なのか、誰も気にしていない。
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・さらにヒビ割れから草も生えているが、そのうち自分も、
 「まっいっか」と思い、普通の風景として受け入れている。
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・ただの水たまりだと思って進むと、底は泥沼になっていて
 ズブズブ沈む。おニューの靴が台無し。


・国道の路側帯の排水口が、車道側に大きくはみ出した上、
 道路改修のたびに路面だけ重ねるので、落とし穴状態に
 なっている。とても走れたものではない。


・走っていると、何の前触れもなく急に砂利道になるので
 昭和30年台にタイムスリップしたのかと思う。
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 まさかね~
 と笑って周囲を見ると、藁葺き屋根の家や由美かおるの
 金鳥の看板があり、本当なのか!?と不安になる。
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・車道を走る自転車に慣れていないドライバーが多く、後ろを
 走るクルマが自分を抜けず、大渋滞になっている事がある。
 路側帯を走っているのに!


・市役所や県庁は建て替えて立派になっても、道路の隆起や
 陥没はなかなか直してもらえない。
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・天皇陛下が通らなかった道は何十年後に改修してもらえるか
 全く見当がつかない。


・田舎業者の、技術もやる気も向上心もプライドも無い補修工事で、
 道路は危険でステキな、立体パッチワークになっている。
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・路肩がなぜか外側に傾斜しており、路面の凸部にタイヤが
 当たってよろけると、そのまま道下の田んぼに直行する
 意味不明な構造になっている。
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・歩道が15センチの高さのままイキナリ途切れているため、
 ジャンプするのが自然に上手くなる。


・道に様々な動物のウ◯コが落ちているので、自転車で踏む
 寸前によける遊びをするのだが、(するなよ!)時々失敗する。
 いつの間にか、飛び越える高度な技を会得してしまう。


・郊外の国道が古くてせまいので、歩道を走っていると、
 急に自転車の幅よりもせまくなる。勘弁してほしい。
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・歩道に上がる段差がちょっとだろうと思ったら結構あり、
 上がりきれず自転車で開脚前転してしまう。
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・道が曲がった上にだんだん狭くなり、最後は階段に
 なっているところが、数え切れないほどある。
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・細い竹が道路に何本も落ちていて、踏むと予測不可能な
 方向に転がって滑るので、確実にコケる。最凶の罠。


・夏は、雑草が刈られず車道まではみ出している。クルマが
 後ろから来るので、仕方なく雑草を突っ切って進みながら
 あ"あ"も"う~~!と言うと、が口の中に入る。


・道路の下の土が雨で流され、空中に浮いた厚さ10センチ
 コンクリート板の上を走っていることがある。
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こわっ!


・日が暮れて自転車で山を下っていると、横からイノシシ
突進して来るので間一髪でよける必要がある。(怖かった)


・必死で峠を登り爽快に下った所で、頂上に忘れ物した事に
気付き、「あ」と言う時の顔のまま、固まる。


・ブレーキをかけると、タイヤが水では無く、枯れ葉や苔で滑る。


・あまりの激坂の連続に、自転車の白人カップルの女の人が
ブチキれ、意味の解らない事をわめく。(それは英語や!)


・山へ行くと、川がさり気なく道路を横切っている事がある。

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・山道にはよくエロ本が落ちているので、気になって
運転に集中できない。


このような例は、枚挙にいとまがない。

現在の自転車散歩の一番の問題は、自転車が車道を安全に走る
事が難しい構造なのに、決まりだから守れと無理を言っている点。

田舎の場合、改善する気も予算も無く、自転車ブームが去るのを
待っているのだろうと思う。

近頃はクルマを運転する老人にはね飛ばされる事故も多いので、
そっちの方も警戒する必要がある。

結局は自分の判断で、自分も周りも安全を確保できる走り方
考えていくしかない。


次回(いつだろう?)は、いなかで快適に安全に走れる自転車とは
どんなものか、具体的に見ていくばい!


Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。