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ミニキャブ3号よ永久に

さらば三菱自動車
09 /29 2013
今回は、ほぼ独り言。


そのころ自分は独身で、あまり贅沢せず暮らす分には金にもそれほど
困らず、好き勝手に暮らしていた。

クルマは普通車があったが、思い切り遊べるのが別に欲しかった。
やはり、以前乗っていたミニキャブがよかったなあと考えていた。

昔の軽の箱バンというのは、自分にとって理想的なクルマだった。
4WDなら大抵の所に入っていける。中古なら気兼ねもない。

ボンネットが無いので、見通しの悪い路地から出る時も、ちょっと
前を覗けば周囲が見える。

軽なので狭い道も問題ない。長崎の林道は狭いので小さい車がいい。

室内はフルフラットになり、ゆっくり昼寝も車中泊もできる。

ミニキャブ2号は4代目のモデルだった。
この当時はすでに5代目の販売が終了し、6代目が出ていた。

中古なら5代目の選択もあったが、5代目からはボディが乗用車に
近い構造になり、4WDシステムも荒れ地を走るためのもので無く、
雪道で滑らない事を目的としたフルタイム4WDに変わった。
これは、山で遊べないという事を意味していた。

やっぱり4代目ミニキャブ4WDしか無かった。

ネットの中古車情報を見ると、福岡に1台あった。
次の週末、さっそく見に行った。
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店は留守だったが、クルマがあった。
あちこち傷だらけで、タイヤもぼうずの上、サイドが破れかけて
コブのようにふくらんでいた。
まあ、どうせ山遊びするのだから傷は問題ない。タイヤは換えれば済む。

ミニキャブ ブラボー ZE スーパーチャージャー4WD 5MT

しばらくすると店の親父が戻ってきた。
長崎から見に来たことを告げ、全部でいくらになるか聞いた。

諸経費が妙に高かったので値引きを交渉したが、「これくらいもらわんと
商売にならん」と強気で言う。じゃあ他を探すからもういいと告げて帰ろうと
したら、急に態度が変わり、「その金額でよかよ タイヤも換えるけん」と
言った。

登録の手続きは郵送で出来るそうなので、納車の時は高速バスで行き、近くの
停留所で待ち合わせた。
親父さんは終始ニコニコして見送ってくれた。ミニキャブ3号は、この時すでに
12年落ち位で、たぶん売れる見込みも無かったのだろう。

タイヤはちゃんとまともなものに換わっていたが、何があるか分からないので
下の道を通って帰った。


ミニキャブ3号生活が始まった。

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多良岳周辺の山は、鎖で封鎖された所が増え、以前より遊ぶ所が減っていた。
4WDで無理をしてひっくり返ったり谷に落ちたりする者がいたためだと聞いた。
林道はほとんど舗装され、普通車が気軽に通るようになった。山はセンター
ラインが無いため、対向車が見通しの悪いカーブで真ん中を走ってくる。
以前のように気楽に走れなくなった。それでも人の来ない山の中は
自然に包まれて気持ちがよかった。

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昔の史跡などを見に行くのには活躍した。林道はきれいになったが、開発の
進まない所は未舗装道路も多い。町中でも軽自動車は邪魔になりにくい。

MEOTOGI2A.jpg

壱岐へひとり旅をした時は、仕事が終わって夜の高速を走り、呼子から
フェリーで渡った。次の日に帰るつもりだったが、いい所だったので2泊
した。もちろん車中泊。地元の人が遊ぶ海辺の草原では、4WDパワーを
発揮した。海岸のキャンプ場で、沖のイカ釣り船を見ながら焚き火して
ワンカップ大関を飲み、このまま日本一周の旅に出たいなーと思った。

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壊れたら修理して、末永く乗りたいと思っていたのだが、そういう訳にも
いかなくなった。長いひとり者の生活も終わろうとしていた。これからは
余分なおもちゃは持てなくなる。自分だけならミニキャブだけ残してもいい
と思うが、今の交通事情で安全性を考えると、さすがに人を乗せるのには
適さない。世間体というものもある。人に心配させてもいけない。

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このクルマを手放そうと決めた時、初めて、何か淋しい気持ちになった。
出来ることなら、どうにかして持っていたいと思った。
クルマは道具だと考えていたので、いつも手放すのに抵抗はなかった。
これほどミニキャブに固執したのは、やはり、自分に一番近いクルマだと
解っていたからではなかっただろうか。

何かと引換えに大切なものを失ってしまう。それは仕方のない事だろう。
すべてのものが必ず変わっていく。

現在生産されているクルマの中で、これは是非乗りたいと思うものは無い。
これからも出てくる事はないだろうと思う。

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3台のミニキャブで過ごした日々は、本当に楽しかった。
自分の人生の一部として忘れられない時間。
このクルマに出会えてよかったと思う。


おわり

ミニキャブ2号発射

さらば三菱自動車
09 /24 2013
ミニキャブ1号出撃 からの続き

ミニキャブ1号は楽しいクルマだが、絶対的にパワーが無く
快適に遠出をすることが出来ない。

エンジンヘッドにエスパーシールを貼ってみたが駄目だった。
車体にマジックでTURBOと書いてみたが無駄だった。

今後、4WD生活をヱンジヨイする為には、
2号機の導入しか手は無かった。

三菱ミニキャブ エステート スーパーチャージャー4WD 5速MT
当時のキャッチコピーは、カプセルロケット!
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カタログは大事にしないほう。ボロボロ。
 
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もちろん中古狙い。
中古車販売店で探してもらい見に行った。登坂能力を試したいと
言ったらどうぞと言うので、調子に乗って近くの山に登った。
発進からスーチャーパージャーが効いて、グイグイ登る。
エンジンは3気筒になり静かでスムースだ。1号とは全くの別物。
もう買おうと決めた。

山で野いちごを採って戻り、車屋の事務員のお姉さんにあげた。
食べたことないと喜んでいたが、後で捨てられたかもしれない。

ミニキャブ1号は友人に譲った。ドナドナを唱って送り出した。
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当時、金は無いのに普通車もまだ持っていた。初めて乗ったオートマ車で
オートクルーズとかもついて豪華装備だったが、クルマとしての楽しさが
まったく感じられず、ミニキャブ1号を買ってからは、遠出以外では
あまり乗らなくなっていた。今回ミニキャブ2号を導入したことによって、
完全に存在意義を失ってしまった。

普通車を買った店に行き、もう乗らんから処分したいと相談したら、
まだ価値がありますよと言って、意外に高く引き取ってくれた。
元々人気車ではあったが、ひと月もしない内に町を走っていた。
この時代は車屋さんも儲かっていたのだろうか。

パートタイム4WDは進化して、4駆→2駆への切換え時も、
バックする必要が無くなり快適だ。
すぐにブロックタイヤを注文し、本格4WD仕様にする。
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長崎バイパスの登りで、追い越し車線を走る事が可能になった。

雪の日の朝、会社の途中にある急坂の下でみんな立ち往生して
いる中を、ピクリと滑る事もなく登り切った。私は王だった。

長崎近辺の山や海、いろんな所へ出かけた。
生月で牛を見て、島原で牛を見て、佐賀で牛を見た。
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もちろん雪山へも行った。
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ナビが出始めの頃で、まだカロッツェリアとアルパインの数機種
しか無かった。金に少し余裕ができたので、展示品が安くで出て
いたのを買った。モニター用に安い7インチのテレビを買った。
カラー画面は、鯖の背中のようなギラギラした色だった。
ヤザキのイレクターでラックを作り搭載した。すべて手作りだ。
当時ナビをつけているクルマ自体が少ない頃だったので、見た
人達は、ほぇ~と言って拝んだ。私は神だった。

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2号では1号以上に楽しく過ごす事ができたが、三菱は4WD
ブームでノリにのった頃だったので、パジェロミニで大ヒット
を飛ばした後、自分の理想にかなり近いコンパクトな4WDを
出してきた。

パジェロJr(ジュニア) 1100ccの新開発エンジン
初代パジェロミニにオーバーフェンダーと太いタイヤがついた
小型4WD。
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親パジェロと同様、走行中フルタイム・パートタイム2駆4駆の切換えが
出来た。長崎の山は大きなクルマでは走りにくいが、これはちょうどいい。
本格的なクロカンである上、これならどんな場に使っても見すぼらしく無い。

欲しければいろいろ言い訳を考えて正当化して買ってしまう。

ミニキャブ2号は下取りに出した。ドナドナを唄ったら三菱の販売店の
お姉さんが大笑いしていた。

パジェロJrが来て、さっそく山へ行った。
新車なので勿体なくて、荒れ地にも茂みにも入れなかった。
うわ失敗した! と思った。私は大馬鹿野郎だった。



それからまた長い時間が経ち、次に乗るクルマを検討していた。
改めてミニキャブの楽しさを思い出していた。
コンパクトでどこでも入っていける機動性。でも室内はゆっくり寝れる広さ。
キャブオーバーの運転しやすさ。スライドドアの使い勝手。
もちろん、生活四駆ではない本格的な四駆性能。
あんな面白いクルマはもうどこも作っていなかった。

ネットの中古車情報で、ミニキャブを検索した。

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そこには、ミニキャブ3号がいた。

つづく

ミニキャブ1号出撃

さらば三菱自動車
09 /19 2013
まだ若いと言える頃に買った、初めての四駆。
三菱ミニキャブ ハイルーフ
四駆の楽しさを教えてくれた、記念すべき車。
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ある日小さな自動車販売店にその車はあった。売り物かと聞くと、
下取りしたばかりだという。型は古いがしけには強く、問題無く
走るそうだ。

いくらで売るかと聞くと、車検込みで十万ポッキリで乙軽との事。
十回ローンで契約した。
当時、仕事は少なく、明日の事は判らない毎日だった。

550cc 2気筒エンジン
パートタイム式4WD 2駆→4駆の切換えはレバーのみだが、
4駆→2駆は数mバックする必要があった。でも当時のジムニー
等は、雨の中でも車から降りて、ホイール中心のハブを手動で
切り替えなければならなかった。
山でジムニーがいたので意味もなく切換えをして見せた。勝った、
と思った。
しかし、ジムニー乗りはそれが楽しいらしい。

トラック等と同様、シャーシの上にボデーを載せた本格的な四駆
だった。ホイールベースが短く、どんな畦道でも乗り越えた。
田んぼに落ちても脱出可能だった。街なかでは、歩道の段差に
真っ直ぐ進んでいって、そのまま登れた。

リアサスペンションは板バネ、フロントはダブルウィッシュボーン
という冗談のような構成。
直線はエアサスのように乗り心地が良いのだが、連続カーブでは、
前は横揺れ、後は縦揺れ、これな~に状態で、気持ち悪くなった。

エアコンでなく、クーラーが助手席の足元に付いていた。
湿気の多い日は、車の中に霧が立ちこめた。足の長い人は助手席に
乗れなかった。

馬力は無く、長崎バイパスの登りではすべてのクルマに抜かれた。
でも、山で遊ぶのには充分で最高に面白かった。灌木の茂みの中から
グバぁ!と現れると、パジェロで遊びに来ていた人達が驚いていた。
勝った、と思った。

天井に大きなオーバーヘッドコンソールが着いていて、改造して
飛行機のようにスイッチやランプをいっぱい取り付けた。動かす
ものは特に無く、ただ付いているだけだった。

カセットコンロや七輪を積んで、カップラーメンを食べたり、
インスタントコーヒーを飲んだりした。予算はなかった。

休日に雪が降ると必ず山へ行った。長崎の狭い林道は軽自動車の
サイズがちょうど良かった。雪うさぎにも遭った。

使われていない旧道に入ると、道が壊れて通れないほどの段差に
なっていた。石を積んで道を作って先に進んだ。

深い轍で車体が傾き、横転するんじゃないかとドキドキした。
隣に乗っていた友達は、「やめろぅ~ やめろぅ~」と言って
喜んでいた。瞳孔が開いていた。

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金は無かったが、十万円では安すぎるほど楽しめた。

その内景気も少しはよくなり、次なるステップが待っていた。

つづく




Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。