晩夏の侵入者
事件ファイル
8月の最後の夜、家に帰った私は、玄関の網戸を開けた。
その瞬間、ジジイ!という、小さく鋭い声が聞こえた。
だっ、誰じゃあ!
玄関の中で聞こえた気がしたが、もちろん誰もいない。
ソラミミだろうか?それともファファミレだろうか?
いや、悪意のある小人かもしれない。
だいたい、ジジイとは失礼だろう!ご老人と呼べ。
周囲をキョロキョロするが、やはり何もいない。
変顔をしながらキョロキョロしたが同じだった。
モニタリングでも無いようだ。
それから、服を脱いで、あ~らよっ♪と言いながら
パンツ一丁になり、顔を洗い、麦とホップを飲んで、
晩飯を食べてひよっこの録画を見ていたら、家内が、
今、ゴミ箱の向こうで何か飛んだぁ!と言う。
小人だろうか?いや普通に考えれば虫か。
めんどくさいので、無視してテレビを見ていたが
ゴキブリかもしれないので、成敗することにした。
暴れん坊将軍の衣装が無いので、パンイチで
近づくと、突然!ゴミ箱の後ろから、ジジジ!と
鳴きながら、小さい蝉が飛び出した。
ワーッ!
蝉はふすまにバン!と当たり、畳にポテッ!と
落ちて裏返しになって動かなくなった。
死んだか‥。
短い夏を力の限りに生き、その命を全うしたようだ。
せめてその亡骸は、庭の土の上に運んでやろう!
ご飯の後片付けをしてトイレに行って部屋に戻り、
蝉をつかま
ミミミミミ!!
いっ、生き返りやがった!
蝉は六畳間を縦横無尽に飛び回り、天井に何度も
ガンガンぶつかって、蛍光灯の上に乗る。
いかん!そこで暴れたら、部屋中にホコリが舞う!
追い出すと、また部屋をメチャクチャに飛び回り、
天井にバンバン当たる!
こいつ!痛くねえのか? ハッ!ゾ、ゾンビ?
そして、急に見失った。
どこへ隠れやがった!野郎ども逃がすな!おう!
私は一人芝居をしながら、部屋の周囲を
メヂカラフルパワーでサーチした。
いた!
自作のウクレレ掛けに止まっている。
天然の木の枝と思ったか。
へへ~ん、残~念~でした~~!!
蝉は、殺気を感じてミー!と鳴いて逃げる。
今度はフスマの下の方に止まった。
もう隠れる元気もないらしい。限界か?
天井で頭を打ちすぎてアホになったか。
私は諫早市のゴミ袋を蝉にかぶせた。
確保!
そしてパンイチお宮の格好のまま外に出て
庭の畑の土の上に逃した。
まだ生きてはいるが、時間の問題だろう。
アディオス!アミーゴ!
適当に言っただけだった。
家に入ろうとした時、玄関の網戸に、
別の蝉が止まっていることに気づいた。
ああ、そうか!
たぶん・・
さっきの蝉も、家の中からの光に誘われて
網戸に止まっていて、私が開けた時に一緒に
家の中に入り、死角に隠れたのだろう。
うんきっとそうだ。 うんちがいない。
私は、網戸に止まったもう一匹の蝉を家に
入れないよう、そっと網戸を開け中に入った。
残り少ない命を自由に過ごすがいい。
夏の終わりの空には、高く星が瞬いていた。
それから、寝る時間になって、家内が玄関を
閉めるため、網戸を勢いよくズシャー!と開けた。
もう一匹の蝉が、ジジイイー!と鳴きながら
家の中に飛び込み、どこかに消えた・・・。
ああああ~~もおおお~~!!
その瞬間、ジジイ!という、小さく鋭い声が聞こえた。
だっ、誰じゃあ!
玄関の中で聞こえた気がしたが、もちろん誰もいない。
ソラミミだろうか?それともファファミレだろうか?
いや、悪意のある小人かもしれない。
だいたい、ジジイとは失礼だろう!ご老人と呼べ。
周囲をキョロキョロするが、やはり何もいない。
変顔をしながらキョロキョロしたが同じだった。
モニタリングでも無いようだ。
それから、服を脱いで、あ~らよっ♪と言いながら
パンツ一丁になり、顔を洗い、麦とホップを飲んで、
晩飯を食べてひよっこの録画を見ていたら、家内が、
今、ゴミ箱の向こうで何か飛んだぁ!と言う。
小人だろうか?いや普通に考えれば虫か。
めんどくさいので、無視してテレビを見ていたが
ゴキブリかもしれないので、成敗することにした。
暴れん坊将軍の衣装が無いので、パンイチで
近づくと、突然!ゴミ箱の後ろから、ジジジ!と
鳴きながら、小さい蝉が飛び出した。
ワーッ!
蝉はふすまにバン!と当たり、畳にポテッ!と
落ちて裏返しになって動かなくなった。
死んだか‥。
短い夏を力の限りに生き、その命を全うしたようだ。
せめてその亡骸は、庭の土の上に運んでやろう!
ご飯の後片付けをしてトイレに行って部屋に戻り、
蝉をつかま
ミミミミミ!!
いっ、生き返りやがった!
蝉は六畳間を縦横無尽に飛び回り、天井に何度も
ガンガンぶつかって、蛍光灯の上に乗る。
いかん!そこで暴れたら、部屋中にホコリが舞う!
追い出すと、また部屋をメチャクチャに飛び回り、
天井にバンバン当たる!
こいつ!痛くねえのか? ハッ!ゾ、ゾンビ?
そして、急に見失った。
どこへ隠れやがった!野郎ども逃がすな!おう!
私は一人芝居をしながら、部屋の周囲を
メヂカラフルパワーでサーチした。
いた!
自作のウクレレ掛けに止まっている。
天然の木の枝と思ったか。

へへ~ん、残~念~でした~~!!
蝉は、殺気を感じてミー!と鳴いて逃げる。
今度はフスマの下の方に止まった。

もう隠れる元気もないらしい。限界か?
天井で頭を打ちすぎてアホになったか。
私は諫早市のゴミ袋を蝉にかぶせた。
確保!

そしてパンイチお宮の格好のまま外に出て
庭の畑の土の上に逃した。
まだ生きてはいるが、時間の問題だろう。
アディオス!アミーゴ!
適当に言っただけだった。
家に入ろうとした時、玄関の網戸に、
別の蝉が止まっていることに気づいた。

ああ、そうか!
たぶん・・
さっきの蝉も、家の中からの光に誘われて
網戸に止まっていて、私が開けた時に一緒に
家の中に入り、死角に隠れたのだろう。
うんきっとそうだ。 うんちがいない。
私は、網戸に止まったもう一匹の蝉を家に
入れないよう、そっと網戸を開け中に入った。
残り少ない命を自由に過ごすがいい。
夏の終わりの空には、高く星が瞬いていた。
それから、寝る時間になって、家内が玄関を
閉めるため、網戸を勢いよくズシャー!と開けた。
もう一匹の蝉が、ジジイイー!と鳴きながら
家の中に飛び込み、どこかに消えた・・・。
ああああ~~もおおお~~!!
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