らんたぼ
さらば三菱自動車
昭和59年型 三菱ランサーEX 1800GSR TURBO 後期型
ランサーターボ。通称、ランタボ。
お分かりかとは思うが、妖怪たんたん坊とは関係ない。
ランサーエボリューション(ランエボ)のご先祖様だ。
それはまだ私が20代後半の頃。
仕事帰りの夜、近所の三菱ディーラーの中古車コーナーに、
薄明りに照らされた黒のランタボがいた。
当時は巨大だったフロントスポイラーと三角のリアスポイラー。
ビンテージレーサーのような小さなドアミラー。
直線と角で構成された、素浪人のような何とも無骨なスタイル!

えーっ?このクルマこんなカッコよかったか?
あきたこまち! イヤ‥、ひとめぼれだった!
すご~くシビレた! 正座して見ていたからだ。
そして、クラクラ~ッとした!! 腹が減りすぎていたからだ。
おにぎりを持って三夜連続で通い、週末にローン契約をした。
その時乗っていた軽のミニカターボは、新車で買って2年
ほどだったのだが、どうしてもランサーに乗りたかった。
新しいクルマを下取りに出して5年落ちの中古を買う!
周りの人からは、バカ、あほ、変態、鼻クソ、帰れなどと
小突かれたが、本人はニコニコルンルンだった。(←昭和)
軽い車体に強力なターボ猿人を載せていて、動力性能は
イヤッホゥ~!で、俗に言うドッカンターボだった。
アクセルを踏み込むと、ウゥ~ンと少しのラグのあと、
ブリブリブリブリブリブリ~ン!!!
と、いきなり急加速してブッ飛んでいった。
純正オプションのノンスリップデフがついていた。
略してノンスリと言った。 トンスルとは違った。
クルマは、カーブを曲がる際、遠心力で内側の駆動輪が浮き気味に
なると、差動装置(デフ)によって外側の車輪の回転を落とし、急な
姿勢の変化を抑えてスムースに曲がれるようになっている。
ノンスリが付いていると、外側の車輪の回転は落ちる事なく、
カーブをウギョギョギョ!と無理やり曲がる!
この機能を利用して、側道から本道に出る際、アクセルと
クラッチのタイミングだけで、ギュワン!と直角に曲がり、
ピタッ!と進行方向を向いて、ダーッシュ!
町角という町角を、こんな事をして遊んでいた。
まったく脇毛の至りだった。
なので、今どきの若者が調子こいた運転をしていても、
「はよう大人になるんやでぇ~」としか言えない。
このクルマに乗り始めた頃は、仕事が忙しくて休みも少なく、
寝る時間を削って、命がけで夜遊びしていた。
お年頃だった。
夜、仕事が終わってバイトの女子大生を家に迎えに行くのだが、
排気音がデカいため、家の手前の坂の頂上でエンジンを止め、
静かにゆるやかな坂を下って停まる。
月影の忍者グライダーと名付けた。
そして、足音で両親を起こさないよう、靴を両手に持ったくの一が、
家の窓から忍び出てくる。
う~ん!佐野元春のHEART BEATの世界やぁ~!(どこがだ)
お金が無い時は、うろうろ走ってたこ焼きを食べて過ごしたりした。
帰りに送る時は、玄関でおかあさんが仁王立ちしていないか、
ビクビクしながら戻った。
ランサーにはそんなセンチメートルな思ひ出もある。
わしも若かったんじゃのう~。
ランサーターボは、過去も現在も、そしてこれからも
たぶん、一番好きなクルマ。

あの独特の雰囲気は、他のどんなクルマも持っていない。
私の中では、サムライ、ゼロセン、そんなイメージ。
どちらもお下劣な宴会芸と同名なのがちょっと悲しい!
2016年現在、三菱自動車は、セダンの開発をやめると言う。
かつてラリーで活躍したランサーもギャランも、もういない。
小型SUVと電気自動車に絞り込んでいくそうだ。
あとはスズキと日産から供給されるOEM車。
まさかこんな事態になるなんて、思ってもいなかった。
生き残るための選択なのだろうが、何と寂しい事か。
誰もが未来への希望を失いかけている今の世の中で、
三菱自動車がもう一度見ようとしているSUVの夢が、
どうか正夢になれよと願うばかり。

いつもありがとう コメントもありがとう
ランサーターボ。通称、ランタボ。

お分かりかとは思うが、妖怪たんたん坊とは関係ない。
ランサーエボリューション(ランエボ)のご先祖様だ。
それはまだ私が20代後半の頃。
仕事帰りの夜、近所の三菱ディーラーの中古車コーナーに、
薄明りに照らされた黒のランタボがいた。
当時は巨大だったフロントスポイラーと三角のリアスポイラー。
ビンテージレーサーのような小さなドアミラー。
直線と角で構成された、素浪人のような何とも無骨なスタイル!

えーっ?このクルマこんなカッコよかったか?
あきたこまち! イヤ‥、ひとめぼれだった!
すご~くシビレた! 正座して見ていたからだ。
そして、クラクラ~ッとした!! 腹が減りすぎていたからだ。
おにぎりを持って三夜連続で通い、週末にローン契約をした。
その時乗っていた軽のミニカターボは、新車で買って2年
ほどだったのだが、どうしてもランサーに乗りたかった。
新しいクルマを下取りに出して5年落ちの中古を買う!
周りの人からは、バカ、あほ、変態、鼻クソ、帰れなどと
小突かれたが、本人はニコニコルンルンだった。(←昭和)
軽い車体に強力なターボ猿人を載せていて、動力性能は
イヤッホゥ~!で、俗に言うドッカンターボだった。
アクセルを踏み込むと、ウゥ~ンと少しのラグのあと、
ブリブリブリブリブリブリ~ン!!!
と、いきなり急加速してブッ飛んでいった。
純正オプションのノンスリップデフがついていた。
略してノンスリと言った。 トンスルとは違った。
クルマは、カーブを曲がる際、遠心力で内側の駆動輪が浮き気味に
なると、差動装置(デフ)によって外側の車輪の回転を落とし、急な
姿勢の変化を抑えてスムースに曲がれるようになっている。
ノンスリが付いていると、外側の車輪の回転は落ちる事なく、
カーブをウギョギョギョ!と無理やり曲がる!
この機能を利用して、側道から本道に出る際、アクセルと
クラッチのタイミングだけで、ギュワン!と直角に曲がり、
ピタッ!と進行方向を向いて、ダーッシュ!
町角という町角を、こんな事をして遊んでいた。
まったく脇毛の至りだった。
なので、今どきの若者が調子こいた運転をしていても、
「はよう大人になるんやでぇ~」としか言えない。
このクルマに乗り始めた頃は、仕事が忙しくて休みも少なく、
寝る時間を削って、命がけで夜遊びしていた。

夜、仕事が終わってバイトの女子大生を家に迎えに行くのだが、
排気音がデカいため、家の手前の坂の頂上でエンジンを止め、
静かにゆるやかな坂を下って停まる。
月影の忍者グライダーと名付けた。
そして、足音で両親を起こさないよう、靴を両手に持ったくの一が、
家の窓から忍び出てくる。
う~ん!佐野元春のHEART BEATの世界やぁ~!(どこがだ)
お金が無い時は、うろうろ走ってたこ焼きを食べて過ごしたりした。
帰りに送る時は、玄関でおかあさんが仁王立ちしていないか、
ビクビクしながら戻った。
ランサーにはそんなセンチメートルな思ひ出もある。
わしも若かったんじゃのう~。
ランサーターボは、過去も現在も、そしてこれからも
たぶん、一番好きなクルマ。

あの独特の雰囲気は、他のどんなクルマも持っていない。
私の中では、サムライ、ゼロセン、そんなイメージ。
どちらもお下劣な宴会芸と同名なのがちょっと悲しい!
2016年現在、三菱自動車は、セダンの開発をやめると言う。
かつてラリーで活躍したランサーもギャランも、もういない。
小型SUVと電気自動車に絞り込んでいくそうだ。
あとはスズキと日産から供給されるOEM車。
まさかこんな事態になるなんて、思ってもいなかった。
生き残るための選択なのだろうが、何と寂しい事か。
誰もが未来への希望を失いかけている今の世の中で、
三菱自動車がもう一度見ようとしているSUVの夢が、
どうか正夢になれよと願うばかり。

いつもありがとう コメントもありがとう
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