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ヴァカ 4匹目

バカ発進!
05 /25 2020
 この話はすべて諫早の人田中君より聞きたり。
わしの体験談で無きこと、ゆめゆめ疑うなかれ。
願わくはこれを語りて上級国民を戦慄せしめよ!


   ― Twinkle Star ―

 先日の事、仕事中、グギュルゥという音と共に
脳から緊急出動命令が出たため、私はトイレに
向かい、内股でスクランブル発進した!

 明らかにガスが溜まっており、かなりヤバい
状態だ。しゃがむ前から引金の安全装置は解除
されていたが、もしフライングしたら機体後部に
甚大な被害が生じる!ヒクヒク、懸命に堪えた。

 そして、イチかバチかの危険な賭けだったが、
私はしゃがみながら、ズボンとパンツをダブル・
ドロップダウン!と同時に、屁だけを発射した!!


 すると、あろうことか、SiriのANAから
 ドードー・ソーソー・ラーラ‥ と、
 
正確な音程で、軽やかなメロディーが
トイレ中に鳴り響いたのだ!!


 無論、実際の音は、ブーブープープー。
屁の音がドドソソだったら怖すぎる。 

 何が起こったのか、一瞬、理解できなかったが、
次の瞬間、私はハッ!と我に返りつぶやいた。

「Twinkle Twinkle‥ Little Star?」

 童謡「キラキラ星」の出だしの旋律だった。

 私は、自らのヘで童謡を奏でた事に動揺し、
 その旋律に、戦慄を覚えた!


 音楽の神様が、へと共に現れたのだろうか?

 イヤ、これは科学で証明できる現象のはずだ!
  冷静に検証してみよう。 

 まず、私はしゃがみ込みながら屁をこいた。
 肛〇は最初からフル全開オールグリーン
連続放屁していたが、しゃがむ刹那、段階的に
四股に力が入り、下腹部の内圧も高まった。
同時に、〇門もすぼまって口径が収縮したため、
屁の音程が、連続して二段階、高くなった!

 ゆえに、ドド・ソソ・ララの音となった。

 そういう事だったのではないだろうか?

 歴史に「もし」が禁句なのは解っているが、
もし、最後にもう一音、の音が出ていれば、
ドドソソララソ♪
で、完璧だった。
それだけが悔やまれる。

 これは人間の可能性というものが、まだまだ
未知数という事を示唆しているのではないか?

 研究が進めば、隣の個室の人と、夢見る様な
美しいハーモニーを紡ぐ事が可能になるのかも
知れない‥。

 次からトイレで屁をこく時は、自撮り棒で
動画を撮影しながらこくとしよう!



by 田中二郎 


※実際にあった事件を元に、再構成しているそうです。
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バカ 参

バカ発進!
05 /23 2020
 近所のスーパーに、セルフレジとやらが導入されたので、
普段は、変な人と思われそうで買わないものを、買ってみた。
 (変な人ではないとでも?)


   うんチョコ!
DSCF9497B.jpg
 これは小学生が喜ぶ30円の駄菓子。
 いろんな動物の種類があるらしい。

 左から、ネコ、フクスケ、リュウ、カワウソ‥え?イヌ?

 粒状のチョコ菓子を、袋から出して本体にセット。
 グレープチョコ味という思い切ったテイスト。
DSCF9500A.jpg
 中には運だめしのおみくじも付いている。


 要するに、動物のおしりからチョコが出てくるという
他愛もないものだ。
DSCF9503A.jpg
 しかし、子供にとっては、これも立派な
コミニュケーションツールに違いない。

 チーリン製菓は、懐かしい大阪の八尾市にある。
 「カワイイ」の次は「オモロイ」が世界に広がってほしい。


 と、普通のブログなら、ここで話が終わるのだが、
残念ながらこれは散歩記でしたねぇえ~。

緊急警報!
これより先、オゲレツモード全開のため、
お食事中の方は、閲覧を自粛願います。



 では、せっかく念願のうんチョコを買ったので、今、
自分に出来うる限りのことをやって、爪痕を残そう。
 (何のだよ)

 まずは、グレープチョコの代わりに、チョコベイビー! 
DSCF9504A.jpg
暑くて少し溶けているのがリアル!

 丸大のカルパスではどうだろう?
DSCF9508A.jpg
 うひゃーっ!これはイカン! キタナーイ!

 さらに、カルパスに、チョコクリームを‥
DSCF9510CA.jpg
 (本人がおいしくいただきました)

 う~んこれはやりすぎだったかも。

 

 しかし、よく考えたら、「フクスケ」は人間なので‥
じんぷ‥
DSCF9515CA.jpg
 


  
また、汚いないものを、書いちまった‥
反省してまーす

今年も夏野菜を植えました

庭ノ畑ニ居リマス
05 /17 2020
 今年もまた、夏野菜を植えた。
DSCF9495CA.jpg

 いつも同じような顔ぶれ。

 きゅうり、トマト、なす、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、
すきまには葉物や花を少しづつ。雑草も元気だ。

 以前はもっといろいろ作っていたが、狭い庭の
畑なので、自然と、次から次に収穫できるもの
絞られていった。
 そう、貧乏人は、コスパ優先だ!

 去年の戦績は、トマトとなすが少なめだったが
あとはスーパーで買う必要がなかった。

 トピックは、オクラの高さが2m43cmに達したこと!
DSCF8878A2_20200517212853c85.jpg
  支柱1m80cm+63cm=2m43cm  (枯れる寸前のボロボロの状態)

新記録~ッ!! 

 涼しくなるまでは、大きくても柔らかくてウマシャスだった。


 記念に歌を作ったので、うっかり見てしまった
あなたにお届けします。 
  
 2019年度 自宅庭 夏野菜選手権
 優勝 オクラ 記録:地上高 2m43cm


 優勝記念ソング
DSCF6495CA.jpg


 おくらおくら  

オ~ク~ラ~ オ~ク~ラ~
ネ~バ~ネ~バ~し~ている~
ア~オ~イ~科~の~野菜~
食~物~繊~維も~
ペ~ク~チ~ン~も~豊富~
オ~ク~ラ~ オ~ク~ラ~
免疫力あ~っぷ~

オ~ク~ラ~ オ~ク~ラ~
ヌ~ル~ヌ~ル~し~ている~
ナ~マ~で~も~食~え~る~
ガ~ラクタ~ンはボケ防止~
コレステロ~ルも排~出~
オ~ク~ラ~ オ~ク~ラ~
低~糖~質~

オ~ク~ラ~ オ~ク~ラ~は
しょ~お~ね~ん~探偵団~
関~係~なかたいね~
コ~ク~ラ~は~福~岡~
ニュ~チョ~ニュ~チョ~し~ている~
オ~ク~ラ~ み~ん~な~
生~き~て~い~る~




 今年は、5mを目指そう!! 
DSCF8604CA.jpg



 

地名散歩 鈴田(すずた) 大村市

長崎地名的散歩
05 /15 2020
 諫早から、国道34号線を自転車で北へ進むと、
揺やかな坂を上りきった鈴田(すずた)峠の頂上で
大村市に入る。

 汗ばんだ顔に涼風を受けて、産直所の前を過ぎ
カーブの先で視界が開けると、見事に真っすぐな
下り坂が1kmほど続く。
DSCF9384SA.jpg

 自転車でもスピードが出るので気持ちがいい。
サ~イクリング、サ~イクリング、ヤホ~ヤホ~!
と、歌いたいくらいだ。

 でも実際に歌うと「自転車の変なおじさん」
いう動画をネットに晒されるので我慢しよう!

 また、きょうはクルマが少なかのう~、と後を
振り向くと、婆さんの運転する車が、道が狭くて
自分を抜けず、大渋滞になっている事もある。


 坂の両側、田畑が広がる低地から山の上までと、
高速道路の橋脚を過ぎた海岸の干拓地辺りまでが
鈴田(すずた)地区になる。
DSCF6536A.jpg

 県央の農村地帯は、近年の開発により、その
風景が一変しているところが多い。

 ここも昭和の時代、長崎自動車道のものすごく
高い橋脚が町を横断して度肝を抜かれたが、
今度は、新幹線が田んぼを横切ることになった。
DSCF6572A.jpg


 鈴田と言う地名は、昭和17年に行政区画では
無くなっているが、川、小学校、郵便局、駐在所、
市役所の出張所までが「鈴田」の名を冠している。

 近隣の町の人達は、ここを「鈴田」としか思って
いないので、大里町とか中里町だとか言われても、
どこなのかよく判らない。

 こういう例は、あちこちにある。


 鈴田の地名の由来はと言うと、むかし、この地の
田んぼから鈴が掘り出されたため、鈴田になった

いう伝説が知られている。

 現実的な説もある。長崎周辺では聞かないが、
スズは湧水のある土地につけられるらしい。
 清水や泉と書いて、スズと読む例もある。

しかし、鈴田地区で、湧水と思われる地名の所は、
国道の上方、日焼バス停近くの射場(井場・いば)
くらい。山の上から流れてくる川の水が大半だ。
suzuta_kasen1A.jpg
  国土地理院地図より

 で、結論から言うが、この鈴田という地名は、
オラは、河川の氾濫地名だったのではないかと
考えている。


 長崎弁で、水などが一杯になってあふれる事を
「すずれる」と言う。
 鈴田のスズは、「氾濫で水があふれた所」
言ったのではないだろうか。
 
 ちなみに私は、すずよりアリスが好きだ。

 あっ、どうでもいいと思っているな?
  (どうでもいいです)


 めでたいとも言われる鈴田地名なのに、災害
地名とは何だと怒られそうだが、高い山と川の
ある所は、氾濫地名であることが多い。


 では、そう思う理由をあげていこう。

【1】地形の状況

 鈴田地区は、多良岳の長い長い尾根の先端に
あるため、大雨の時の水量は極端に増える。
suzuta_kasen2.jpg
   Googleマップ 衛星写真より

特に現在の町の中心である鈴田小学校の近辺は
「ジョウゴの底の穴のフチ」にあたるため、
赤枠のほとんどの水がここを通ることになる。
DSCF6442A.jpg


 小学校の所は、茂手(もで)という小字地名。

 「もる」という古語は、「もぎ取る」の意味。
「デ」は、場所を表す処(ド)だろう。つまり、
水によって土地をもぎ取られていた所か。
suzuta_mode1AA.jpg
 小学校を回り込んで流れている。 

 昭和32年の水害でも、鈴田地区は特に被害が
大きかったそうだ。
 
 多良岳から十数キロある斜面を、勢いのついた
大量の水が大岩を転がしながら駆け下り、家も
田畑も道路も線路も押し流した。鈴田小学校の
周囲もやはり冠水したとの事。

 つまり、治水対策が行われる以前は、氾濫が
起きやすい土地だった
ということだ。

 現在は、鈴田川の川幅は拡張されて、堤防も
高くなっている。小学校の隣りの河川公園には、
洪水時の水位情報板と警報機が設置されている。
DSCF6440A.jpg


【2】地名の変更

 鈴田は、元々は今里(いまざと)だったという
記録がある。今里という地名は、その当時に
「新しく開かれた里」という意味。

 ということは、大村地区の中で、比較的遅く
開発されたことになる。

 多良岳からの用水が豊富で、緩い傾斜地で
日当たりもよくて低湿地という、農業に向いた
土地なのに、なぜだろう?

 それは、洪水の危険が判っていたために、
開拓が進まなかったからかもしれない。
DSCF9401A.jpg


 村そのものの地名が変わるということは、
何か大きな出来事があったからだと思う。

鈴田の場合は、洪水の可能性がある。

 新しくできた「今里」は、洪水で一度荒れ地に
なって人は離れたが、その後、治水が進んで、
鈴田として出直したのか‥。

 また、鈴田村は江戸時代に一度、上鈴田村と
下鈴田村に分かれ、後にまた一緒になっている。
 これも、その時の洪水で半分の田畑が流され、
そこから住民の間でトラブルが起きたためという
ことも想像できる。 
 

【3】スズレ地名の例

スズだからスズレねぇえ~と思われている
のだろうが、「スズレ地名」は実在する。

 長崎市西泊の海岸に、スズレ崎(スズレ山)
という地名がある。
 まんじゅう形の岩山を半分に割ったような
切り立った崖だが、断面の石が崩落している
様子をスズレと言ったのだろう。
 32.729024, 129.850543
suzure_zaki1A.jpg
  Googleマップ 3D衛星写真より

 こちらは、北九州豪雨の時にニュースに
なった、大分県日田市の鈴連(すずれ)町。
山肌全体が崩れてしまった。
 33.388144, 130.938083
20171201001AA.jpg
  広報ひた より

佐賀県杵島郡江北町 鈴山(すずやま)峠
 33.239088, 130.148812
 峠の頂上は、昭和期に切り通されている。
途中の県道の斜面は、多くがコンクリートで
固められ、さらに鉄のネットで覆われた所も。
suzuyama_touge2A.jpg
  Googleストリートビューより
 崩れやすい地質なのだろう。

涼松(すずみまつ)という小字地名が2箇所。
・長崎市東町は、矢上普賢岳中腹の傾斜地。
 長崎大水害の時に山崩れの被害があった
 侍石(さぶらし)地区。
 32.776137, 129.963652

・諫早市多良見町は、化屋名の阿蘇神社の
 近くで、国道造成時に山崩れがあった丘の
 下あたり。丘から流れた水は、ここで川に
 落ちたと思われる。
 32.830489, 129.986133

 鈴田の山向こうにある、大村市今村町には、
摺出石(すりでいし)という集落がある。石が
斜面からずり落ちる地質だったか。
 32.866630, 130.001630

 鈴田から旧長崎街道の山道を登った、諫早
との藩境辺りの地名を、硯石(すずりいし)
という。
 そこに藩境いを示す大きな石があるのだが、
水が溜まるくぼみがあるため、弁慶の足形石、
鬼の足跡石、または硯石と呼ばれている。

 しかし、一番インパクトの少ない硯石が
わざわざ地名になるのも不自然な気がする。
 やはり土砂がすずれる所ではないか?

 鈴田は、「水がすずれる」と考えたが、
実際の洪水では岩も土砂も流れてくる。
鈴田の湿地の奥は、高い崖だ。


 さて、言いたいことは、だいたい言ったので、
そろそろ帰ろう。


 最後にもうひとつ。

 岩松駅近くの踏切を過ぎ、鈴田川を渡った
畑のカドに、地主(ちゅうず)大明神を祀る
石の祠がある。
DSCF9411SA.jpg
石祠には、地主大明神と彫られた、欠けた
鳥居の神額と、明治期に新たに祀られた
恵比寿、大黒像。石の鳥居は、柱の部分
だけが残っている。


 鈴田の地名由来である「鈴」は、この側で
掘り出されたと言われている。

 ここから先の方の農地は、河口に土砂が
堆積した「州」を開拓・干拓したものだろう。


 地主大明神は、地元では「チュッ様」
というキュートな名で呼ばれているそうだ。

 地主神は、大抵が「じしゅ、じぬし」と
読むようだが「ちゅうず」は例がない。
「ちしゅ」なら、チュッ様になりそうだが、
なぜ「ちゅうず」なのだろう。

 あと、鈴田村全体の鎮守は古松大権現の
はずなのに、地主大明神も村の鎮守として
祀られていたらしい。なぜ?

これはひとつ、よーっと考えて見ねばなるまい。

 わたしは、両目をクワッ!と見開き、
ガン見戦隊☆メンタマン!と叫んで、
衛星写真を隅から隅まで舐め回すように見た。
suzuta_kantaku1A.jpg
  Googleマップ 3D衛星写真より

 そうか!チュッ様の場所は、元々は川の
中州が始まる所だったはず!しかもウマも、
川の流曲部の外側。氾濫したら、真っ先に
水がすずれるところだ。

 チュッ様の鳥居が一部しか残っていないのは、
洪水で流されたからではないのだろうか?

 川の中州は、「ちゅうず」とも読んだ。
mitsumata_2.jpg


 チュッ様は、大切な中州の農地を水害から
守ってもらうために、この最前線の場所に
祀られたのではなかったか。

 ちなみに、諫早を含む佐賀藩の干拓地では、
高潮や台風による堤防決壊の被害から農地を
守ってもらうために、水神である八大龍王が、
一番ヤバい堤防の所に鎮座している。
 
 まるで人質みたいな祀られ方だが、民衆の
切実な願いの表れなのかもしれない。
DSCF8181A.jpg

 
 そして、ここで鈴を掘り出したという伝説は、
あふれて積もった土砂の中から、呪術的に
「スズレる原因を取り除く」という意味が
あったのではないだろうか。

キレイな黄昏の中、そんな空想をする。


地名散歩 毛井首(けいくび)は、くびれた峠  

長崎地名的散歩
05 /08 2020
 長崎市街の南側、三菱造船所香焼(こうやぎ)工場の
近くに、現在も行政地名としてそのまま使われている、
土井首(どいのくび)町、毛井首(けいくび)町がある。
doi_kei1A.jpg
  Googleマップ衛星写真より

 土井首は、よく言われる通り、海岸に築いた防潮堤を
昔は、土囲(どい)と呼んだからだろう。
 「ドイ」地名は、長崎県の海岸にしばしば見られる。

 地名の「首」は、大抵が、土地の一部がくびれて
細くなった所のこと。

 
 よく判らないのは、毛井首(けいくび)

 古くは草木の事を「毛」と言ったので、草木が茂った
首地だと言われているようだが、どうも納得できない。

 昔は草木が生えていない所のほうが少なかったはず。
今も昔も、長崎は辺境のド田舎ですからねェエエ~~

 何か余程の理由が無い限り、地名には草木の意味で
「毛」が使われることはないだろう。


 そして、類似の地名をいろいろ探した結果、毛井首は
「越え首」だろうという考えに至った。

 「越し、越え」は、山や丘を越えて別の場所へ
行きやすい、他より低くなった峠道のことを言う。

 本格的な山越えの所もあれば、小丘のプチ峠もある。

 つまり、越え首は「くびれた峠」だ。 


 山や丘を越える所が首地形なので「越え首」。
・時津町日並郷 越首 (こえくび) 
 32.839157, 129.828711
・田平町下寺免 越首 (こえくび)
 33.324138, 129.579351
・西彼町喰場郷 越ノ首 (こえのくび) 
・田平町深月免 コイ首 (長崎弁でコイに変化?)

 「越し首」も言い方が違うだけで意味は同じ。
・西彼町大串 越首 (こしくび)
 33.009608, 129.728229
・長崎市木場 越首 (こしくび)
・若松町宿ノ浦郷 越首 (こしくび)
・西有家町龍石 首越 (くびごし) 


 では、越え首が、どう毛井首に変わったのか。
その過程を、例を挙げながら見ていく。

①越え首の「コエ」は、縮まって「ケ」になる。

 越える事をケルとは言わないので、違うかと
思ったが、「地名」は動詞では無く名詞なので
場所が識別できればいい。だんだん言いやすく
変化したのだろう。

 実際に、越と書いてケと読むところがある。
・長崎市多以良町 越首 (けくび)

・多良見町舟津  越首 (けくび) ↓
 32.862775, 129.925692
ikiriki_kekubi2A.jpg
  Googleマップ3D衛星写真より
 国道側は、工事で大きく切り通してある。
反対側はえぐれた自然地形になっている。 

 ここは、長崎県の小字地名総覧でも、バス停名
でも「けくび」となっているが、地元の人に訊ねたら
「私達はコエクビて言うよ」とのことだった。

 ここは、バス停の漢字が「越」で、場所も山越え
道の頂上にあたるため、住民も「越える道」という
認識があるのだろう。
DSCF5782A.jpg


②「ケ」の意味が忘れられたケクビと呼ばれる
土地では、ケだから「毛」だろうと誤解されて、
毛の漢字が使われるようになる。


・東彼杵町遠目郷 毛首 (けくび)
・野母崎 高浜町 毛首 (けくび)
 
 ちなみに「毛首」は、おっさんの毛の生えた汚い
乳首ではないので心配はいらない。大丈夫だ!

 野母崎の高浜にある毛首には、5つの小字がある。
毛首 中毛首 下毛首 西毛首 南毛首 
 32.608127, 129.792121
takahama_keikubi2A.jpg
   Googleマップ3D衛星写真より
 どれがどこかはよく判らないが、あっちもこっちも
くびれまくり。

 「南毛首」らしき所は、キレイに丸く落ち込んでいる。
DSCF2156A_20200506201112692.jpg
 地形的には、越え首で無くてどうしますかと言う
ほどの越え首地だ。

自転車でさらに上の方へ登ったら、いい眺めだった。
DSCF2164SA.jpg


毛首は「ケークビ」と発音するのだろうと期待して
現地の年配の人に聞いたが「いや、ケクビ」との回答。

 生まれた時からずっとここに住んでいるお婆さんは、
毛首の「ケ」が「越え」かもしれないという話は、全然
聞いたこと無いとのことだった。


③「コエ」は「ケ」または「ケー」になり、
「ケー」は「ケイ」に変化した。


・長崎市毛井首町 毛井首(けいくび)
・大村市東大村   鶏首(けいくび)

 長崎弁では、単音の言葉は語尾が伸びやすい。
 例えば、屁は、「へー」となる。
 (真っ先にそれか!)

 手ーば洗う。子ーの生まるっ。蚊ーに食わるっ。
歯ーの痛か~。痔ーの痛か~。血ーのづっ(出る)。

  ※詳しくは こちらで


 ではなぜ、ケーがケイに変化したのか。

 それは、地名を漢字で書く必要が出てきたからだと
あちきは考えるのね。

 役人が土地の記録を作る際、漢字を使わない民衆から
聞き取りした地名に漢字を当てるわけだが、ケーと読む
漢字は無いので、代わりにケイと読む漢字が当てられ、
そのうち、漢字の通りケイと発音するようになったの
だろうと思う。

 大村市東大村の鶏首は、ひょうたん形の丘の付け根の
くびれた部分を越える所がある。
 32.927042, 129.989394
keikubi_omura1A.jpg
  国土地理院地図より
 ※衛星写真では木が茂り過ぎてよく判らなかった。


 長崎の毛井首に戻ろう。

 むかし、長崎の毛井首から隣りの土井首へ行くには、
毛井首町公民館奥の丘にある、古い細道を越えたはず。

 それは車の通る道ではなく、墓地周辺の芸術的に
くびれた丘の細道の方だったかもしれない。
 ここもあきらかに越え首地形だ。
keikubi_a2A.jpg
  32.693814, 129.840419

 それに、公民館から鶴見台団地のほうへ登る細い
旧道も、思いっ切りくびれた、越え首地形。
keikubi_tsurumi1A.jpg

 あっちもこっちも、越え首!


 ◎首地ではないが「越」と書いて、ズバリ!
「ケイ」と読む地名が存在する。


・野母崎 高浜町 越地(けいぢ)

 ここは、同じ町にある「毛首」から海岸のほうへ
下りたところで、低い丘を越える道沿いの集落。
DSCF2132A.jpg

「越」は何の辞書を見ても「ケイ」とは読まない。

 おそらく元は越地(コエヂ)で、越の字が使われた
まま、発音だけがケェヂになり、ケイヂになったと
考えてよさそうだ。

 ここはさすがにケェヂと発音するだろうと、土地の
年配者達に聞くが、明瞭に「ケイヂ」ですとの事。

 漢字は「越」で地形的にも明らかな越え地なのに、
読み方はケイで定着している。
 
 予想がはずれてガッカリ八兵衛だが、越をケイ
と読むことを自然に受け入れているのは面白い。

 その後、明治時代の長崎県地図が手に入ったので
越地を見てみたら、わざわざ越に「ケー」とカナを
ふってあった。ケーヂだ。
ke-ji1.jpg

 やっパリ、ロンドン、ニューギニア!
    (ちょっと変えてんじゃねーよ!)

 ここも、越え地がケェヂになり、ケイヂに変化したのだ。

 
 ひとつよく解らないのは、
 越え首(コエクビ)が、ケクビ、ケイクビに変わったとして、
 それは自然になのか、意図的なことなのか。

 ハッ!そうか!
 コエクビだと、
 「肥え汲み」っぽいから?
 



参考文献:
 古代地名語源辞典 楠原祐介 編
 長崎県の小字地名総覧 草野正一 著

地名散歩 本当は怖くない首地名

長崎地名的散歩
05 /06 2020
 「首塚」という地名がある。

 戦国時代に、敵兵や反逆者の首を切って埋めた所とか、
その供養のための塚がある所だとか言われている。

 長崎では、国道251号を、森山町唐比から愛野展望台方面へ
向かう途中の枝道にある、高さ2m程の「首塚」が有名だろう。
DSCF0216A.jpg

 その近辺は、首塚という地名になっている。
DSCF0214A.jpg

 案内板には、やはり恐ろしげな伝説が書いてあるが、
現実的な「古代の豪族の墳墓説」も紹介されている。
DSCF0210A.jpg

 これは大事なことで、伝説だけを事実のように書くと、
知識の無い者は「そうなんだぁ」としか思わない。
 特に子ども向けだと、自分で考える機会が失われる。

 
 首塚のほか、耳塚や鼻塚もよく聞くし、胴塚とかも
あるらしい。「尻塚」はまだ聞いたことがない。
 玉、 いや、何でもない。

 長崎ではキリシタン殉教に関係する話も多い。

 実際に残虐な行為が行われた事実もあると思うが、
多くは、人間の恐怖心が生んだ伝説だろう。

 キリシタン宗徒の片耳を切り取ったというような話も、
資料によって内容が異なる。怖ろしいことは、どんどん
悪い方に話が大きくなるものだ。

 また、自然災害や蝗害、疫病などが発生すると、
「こりゃあ首塚様のタタリばい!おっとろしかぁ~!
はよう供養ばせんば!」「そげんたい、そげんたい!」


と、ずいぶん昔に死んだ人であっても、それが誰なのか
知らなくても、タタられるぅ~!と怖れて祀った。


◯◯首という地名は、数多く存在する。
たとえば、

牛の首(うしのくび)  時津町左底郷
鳥ノ首(とりのくび) 長崎市三重田町
赤子首(あかごくび)  生月町里免  
首切(くびきり) 上五島町続浜ノ浦郷

キヤアアアアア────ッ!! 

おどろおどろしい地名ばかりだが、心配ご無用!

これらはすべて、土地の状況に由来するものだ。


 地名の「首」は、大抵が土地の片側または両側が
他より細くなった「くびれた土地」の事を言う。

そして、その場所の状況を表す言葉が付加される。

 上記の首地名を地名用語で読むと、次の様になる。

・牛の首(うしのくび) 時津町左底郷
 32.831614, 129.826901 (※Googleマップ検索用)
 ウシはウチで、ある範囲の内側を指す。または、
「憂し」の意で、地盤がよくない土地を言う。
陥没して首地形になる場合もあるだろう。
 ここは山の奥の方で、斜面が丸くえぐれている。
ushinokubi_1A.jpg
  Googleマップ 3D衛星写真より


・鳥ノ首(とりのくび) 長崎市三重田町
 トリは土地を取るのトリで、崩壊地を意味する。
地形の一部が崩れて首地形になることもある。
 詳細場所不明。


・赤子首(あかごくび) 生月町里免
 33.385692, 129.416124
 アカは、湿地または、赤土の土地。多くの場合、
水に関係している。舟に溜まった水もアカという。
また、崩壊地の意味もあるらしい。ゴは水溜りを
意味する湖(ゴ)、あるいは、淀んだ川(ゴウ)では
ないかと思う。
 生月の場合は、丘から下りた首地の下に田んぼ
がある。丘の周辺には、側にある番岳からの湧水
と思われる溜池が多数見られる。

 ハウステンボスの敷地内にも、赤子、赤子新田、
赤子渡などの小字地名がある。
ここも元々は、海岸そばの低湿地だった。

  
・首切(くびきり) 上五島町続浜ノ浦郷
32.969990, 129.021414
サラリーマンには一番怖い地名。キリは「切り」で
切れたような崩壊地か。
 全体的にくびれた形の半島の斜面に、地すべりで
えぐれたような縦方向のくぼみが見える
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  Googleマップ 3D衛星写真より


「首塚」も、くびれて盛り上がったところ(塚)なら、
ホラ、怖くない!
ガブ!ウッ! 
痛てててて‥

(ああそうさ、つまらないさ)


 では、例の愛野町にある首塚はどうだろう?
 32.798363, 130.146064

 ここは、千々石断層の崖が始まる所であり、大昔
に隆起したり崩れたり、取り残されたりした地形が
絡み合って、いびつになっている。
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  Googleマップ 3D衛星写真より

塚がある丘の下の国道登り口は、土を盛って道路の
基礎にしてあるが、元々は崖地だったようだ。

海岸から回り込んで登り、国道を横切って丘の上に
続く道が、元からある旧道。

 その周囲は、大きくえぐれた(くびれた)地形に
なっている。明らかに首(クビレ)地形だ。
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首塚は、元は「塚ノ首」など、塚のある首地という
意味の地名だったのかもしれない。

それが時代の経過と共に、塚には首が埋まっとるに
違いなかばい!うんにゃ、おっとろ~し!
となり、
首塚になったのではないだろうか。

たぶん、そんな所だと思うのだが‥。


地名散歩 千年地名 千々石(ちぢわ) 

長崎地名的散歩
05 /02 2020
雲仙市千々石(ちぢわ)町
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 雲仙岳の麓に位置する千々石町は、一面に畑が
広がる営農地帯で、少数ながら漁業者もいる。
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 千々石湾に面した長い砂浜では、釣り客や散歩
する人が、年中のんびり過ごしている。
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 残念なのは、最近閉鎖されてしまった海水浴場。
復活したらまた、覗、いや、遊びに行きたい。
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 町の背後から西側には、千々石断層の高い崖が
となり町の諫早市森山町唐比(からこ)まで続いて
おり、自然の営みの壮大さを感じられる。
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 山の方へ進むと、清冽な水が潤す棚田が重なり、
春夏秋冬移りゆく、日本の原風景を楽しめる。
P6160029A_20200502111243ffa.jpg

DSCF2615SA.jpg

 非日常を感じられる気持ちのよいところだ。
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 さて、千々石(ちぢわ)という地名の由来だが、
断層崖の下の海岸には、無数の大岩が転がって
おり、昔は「千々岩」と書かれていた事からも
「たくさんの岩」が由来だと思っていた。
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 しかし調べてみると、千年以上前に書かれた
肥前国風土記という書物に出てくる、比遅波
(ヒヂハ)という名の崖が、千々石断層のことで、
ヒヂハが変化して、チヂワになったと言う説が
有力らしい。

うう~む。ほんなこつじゃろか?

 長崎の壱岐や対馬も、卑弥呼の3世紀から
続く古い地名であることが知られているが、
似ているからといって都合よく解釈するだけ
では、真実は遠ざかってしまう。

 散歩記は、趣味ではあるが、現実的な視点で
冗談や軽口を排してストイックに地名の考察を
行う、至って真面目なブログだ。
 (はい、ウソです)

「ヒヂハ」は地名用語で読むと「湿地の端」
という意味にもなる。

 千々石町は、海辺の湿地だった所に畑が
作られている。

 しかし、岸(崖)の事をヒヂハと言ったという
風土記の記述と合わない。


 やはり、まずは基本に従い、千々石に似た
地名を探して地形の状況を比較してみよう。

 ※座標はGoogleマップ検索用
 ※座薬はボラギノールAイボ痔用

・雲仙市千々石町
 32.790278, 130.185872 
 山から海岸へ続く緩傾斜地に田畑が広がる。
 背後には特徴的な千々石断層の崖が続く。
 崖の下の海岸には、無数の大岩がある。
 
・長崎市千々(ちぢ)町
 32.652077, 129.876537
 千々石から橘湾を挟んだ茂木地区南側の
 海辺の集落。海岸には数m大の岩が並ぶ。
DSCF2962SA.jpg
 
・諫早市赤崎町 千々平(ちぢひら)
 32.835839, 130.104091
 昔は浅い海に突き出していた岬の側面。
 岩石を含んで崩れやすい急傾斜地(ヒラ)。
 現在は全面をコンクリートで覆ってある。
 周辺は石のつく地名が多い。
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・諫早市森山町 千々(ちぢ)
 32.824352, 130.125922
 隣り町の赤崎町と同じく、昔は海岸近くの
 干拓地で、周囲は石に関する地名が多い。
 未開発の土地には大きな石が露出している。

・対馬市千々瀬(ちぢせ) 
 34.701172, 129.441731
海岸に細長く突き出した岩礁。

・五島市三井楽町 千々見ノ鼻(ちぢみのはな)
 32.766087, 128.697370
 溶岩が風化した様な岩礁海岸。

・新上五島町 築地(ちぢ)
 32.875575, 129.050556
 周囲を含め、岩礁海岸。河口には石が多い。 

・佐賀県唐津市千々賀(ちちか)
 河口に近い平坦地で川のそば。
 チチと清音なので、別の意味か?

・青森県むつ市大畑町赤川村 ちぢり浜
 41.454217, 141.119586
 波に浸蝕された奇岩が広がる海岸。

 チヂのつく地名を集めて状況を確認すると、
ほとんどが岩石のある海岸だった。

 そォ~れ見たことか!やっぱり‥

 ん~?イヤ!それはおかしい!!

 千々は「数が多い」という意味のはずだが、
この例を見ると「チヂ」だけで「岩石」の
意味を含んでいる事になる。

 それに、岩と言っても、繋がった岩礁の
場合も多く、必ずしも岩の数が多いという
わけでもない。

 という事は‥、わしの見当違い?

 うんにゃ!どう考えても岩に関係するはず。

 そうだ。そのはずだ! 関係する!

 するも~ん! 関係するも~ん!

 いかん、ちと取り乱してしまった。冷静に
ならねければないとなられらん!


 そして、不思議なことに、このチヂ地名の
ほとんどが長崎周辺に集中している。

 検索に引っかからないだけかも知れないが、
思いっきり飛んで青森というのも面白い。

 長崎と青森は、「対馬海流」で繋がっている。
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 うう~ん、
 チヂは「たくさん」では無く、岩??

 では、肥前風土記のヒヂハが正なのか?

 一発、検証してみることにしよう。

 肥前国風土記のヒヂハという名称について
説明している部分は、下の2カ所。

・土歯池。俗言岸為比遅波。
 土歯池(ひじはいけ)。土地の者が、海岸の
 崖のことを「比遅波(ひぢは)」と言った。

・縁土人辞、号曰土歯池。
 土地の者の言葉により、土歯池(ひじはいけ)
 と名付けられた。

 あとは、断層の崖と土歯池の大きさと状況に
ついて書いてあるが、ことごとく数値が二倍。

 これは、元佐賀大学教授の西晃央先生が、
「肥前国風土記における土歯(ひじは)池の
所在地について」で指摘された通り、古代の
「一丈」が現在のニ倍だったなら、ほぼ合う。

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ヒヂハとは何か。これが一番の問題。

 土地の者(土人)の言葉で、ヒヂハと言う
あるので、これは方言か外来語だろうか。
 土地の者とは、どこから来た何者だろうか。

 東北・北海道にはアイヌ語起源の地名が多い。

しかし、それを全国の明らかに日本語の地名に
無理矢理あてはめるトンデモ説は論外だ。

 最近は「縄文語」というのが研究されていて、
これは古代日本の先住民の言葉で、アイヌ語や
琉球語と元が同じとも言われているらしい。
 
 今も沖縄周辺とアイヌで共通の言葉もある。
アイヌ語に取り入れられた日本語も多い。

 日本語で意味が解けないのなら、これらを
確かめてみるのも悪くはないだろう。実際に
長崎の謎地名で、アイヌ語の意味と合って
いそうなものも複数ある。

 ネットのアイヌ語辞書などをあれこれ見て、
ヒヂハに近い言葉を探してみた。

・ピシ:浜、石浜
・ピチ:小石
・チシ:岩、立岩、岩山
・ワ :岸、渕

 「チシ・ワであれば、岩山の岸(崖)で
意味が合い、発音もほぼチヂワなのだが、
ヒヂハとは離れすぎている。

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大体、「ヒヂハ」で正しいのか?

 風土記のヒヂハの項で、ひとつの文の中に、
土歯(ヒジハ)と比遅波(ヒヂハ)の記載がある。
なぜだろうか。

 たぶん、土歯池は実際にそう書かれて
呼ばれていたからで、比遅波は、ヒヂハの
発音を「万葉仮名」で表したもの。 

 風土記が書かれた奈良時代には、ハ行は
パピプペポに近い発音
だったので、実際は
「ピヂパ」だったはず。

 「ピシ・ワ」(石浜の岸(崖)と言いた所だが、
パとワは聞き間違わないだろう。

ヒシを辞書で調べると、海の中の洲(す)
と書いてある。洲は一般に砂洲だが、洲には
「島」の意味もある。「堆積物で陸地のように
なったところ」なら、石でもよさそう。

 ちなみに、沖縄方言ではサンゴ礁のリーフ
部分をピシと言うそうだ。
※リーフとは環礁の外周が海上に出た部分。
 石(石灰質)の浜と言えるのではないか。


 奈良時代から平安時代になると、ハ行は
パピプペポからファフィフフェフォになる。
ピヂパは、フィヂファになる。

 さらに、平安時代に「ハ行転呼」という
ものが起こり、語中、語尾のハはワと発音
され、フィヂワになる。

 おお、かなりチヂワに近づいたぞ! 

 同時期にフィは、現代のの音になるので、
「ヒヂワ」になっていく。

 そして、この時代に「荘園制」が始まり、
文献に「千々岩庄(ちぢわしょう)」の名称が
やっとこさひょっとこさ、登場する!

 
 フィヂやヒヂが、チヂに変化する過程を
説明は出来ないが、フィヂワやヒジワより
チヂワのほうが言いやすいのは間違いない。

 言葉は言いやすいように変化するものだ。


 縄文語・アイヌ語説は、部分的に合って
いる気もするが、なんとも言えない。

 何せ千年以上前のことなので、アイヌ語
も発音が変わったり、「縄文語」も地域で
微妙に違っていてもおかしくはない。
 

 ただ、ピヂパチヂワにならない
こともなさそう、
という事は解った。
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 そしてもし、古代の岩石を意味するピヂと
言う言葉が、「チヂ」となって現在の地名に
残っているとしたら、

何か、よかたいね。



Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。