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【地名散歩】破籠井(わりごい) 諫早市破籠井町

西諫早ニュータウンから、国道34号線を大村方面に向かい、
丘を登りきった所から左側の山中に、破籠井の集落がある。
SDSCF2883.jpg

緩やかな山の斜面に青々とした棚田が広がる中心部は、
周りを山に囲まれているため、集落の外からは見えない。

隠れ里のようなこの土地には、平家の落人伝説がある。

SDSCF2877.jpg

それに基づく地名由来譚も伝わっている。

昔、落人の一行がこの地を通った時、長旅で、お姫様を乗せた
の底が、ズバーッ破れて抜けてしまった。

お姫様は斜面をコロコロと転がり落ち、危うく畑の肥溜めハマる
寸前に体勢を立て直し、シライ3を鮮やかにキメ、難を逃れる!

落人たちの中には籠の修理をできる者がおらず、それに、もう
面倒臭くなったため、ここに落ち着く事に決めた。

少し記憶違いの部分があるかも知れない。 (ほとんどじゃ!)


毎年2月1日に、熊野神社で「百手祭り(ももてまつり)」
行われる。伝統ある古い祭りという事だ。
SCIMG1492.jpg

※祭りの詳細は一応ここにも。

お姫様のカゴ以外の地名由来としては、
・旅人が、わりご(昔の弁当箱)を開いて昼飯を食べた所。
・川の流れが田んぼを二つに割っている所。籠(こもり)は田。
などがあるそうだ。

しかし、破籠井とは変わった地名だ。割子ならコンビニの
そば弁当でも見るが、現代人にはこれはちょっと読めない。


真津山史話(諫早市教育委員会)によると、破籠井の地名は、
西暦1600年から1800年くらいの間に、
破籠川→破籠郷→破籠井→破籠江→破籠井と変化したとある。

えーっ?地名ってそんなコロコロ変えられるものだろうか?

よく見ると、漢字の表記が違うだけの場合もありそうだ。
川も郷も江も、ゴウと読める。

は、川(ゴウ)の聞き違いか書き違いかも知れない。
同時代の複数の文書ですべて同じなら、信用できるのだが‥。

は、井戸の意味もあるが、川から田畑への取水口を指す。
また、川や水そのものまで幅広く言う場合もある。

も意味が広く、川に限らず水のあるところすべてを指す。


大村郷村記には、破籠井と大村藩今村の百姓との間に起こった
藩境争いに関する記録の中に、わりいがうと書かれている。

「がう」は古い書き方なので「ごう」と発音する。
凶暴そうだが、めったに噛まないので大丈夫だ。

同じ文章に、漢字で破籠江とも書かれているため、破籠江と
書いて、わりいがう、と読んでいた事が判る。

あと、わりいがうの他に、わりいかうとも書いてある。この
ふたつが、繰り返しガンダムに出てくる。どっちなんだぁ!

これは、濁点はあまり重要視されなかったという事だろう。
和歌や古文書など、濁点無しで濁って読む事は多い。


「わりいがう」に漢字をあてると、状況から割井川となる。
も、わりと読めるので、破井川でもよい。

郷村記の記載は、農民の言葉を聞き書きしたものと思われるが、
「わりごい」と聞いて、「わりいがう」とは書くまい。

破籠井は元々、割井川(わりいごう)だったのではないか?
SDSCF2909.jpg

「割井川」は、単純に考えると「田に水を分けて引き込む川」
くらいの意味だろう。


熊本県宇土市網津町に、割井川(わりいがわ)という所がある。
地図を見ると、川の本流に支流が流れ込んでいる。
支流のそばには農業の神様である歳神社。

これにより、田と水に関する地名だろうと予想できる。


佐世保市重尾にある、小字の破井川(はいがわ)も同様で、
川の本流に、支流(同名の破井川)がぶつかっている。

これは、こういう地形のところに特有の地名ではないか?
そう思った。


余談だが、重尾の破井川はひやごと読んでいたらしい。

キラキラネームなら説教してやらねばと思ったが、どうやら
はいがわ → ひゃーがわ → ひゃーごう → ひやご、と変化
したらしい。


川の地名の場合「ワリ」は、割れる・分かれると言うより
割って入るという意味で使われているように思える。

では、破籠井の場合はどうか?

傾斜地のため勢い良く集落を流れ下る川は、やはり大村との
境界の今村川に横からぶつかるのだが、その場所は集落から
2キロ以上も離れた下流。

破籠井が属する真崎村の範囲ではあるが、破籠井では無い。

う~ん、ちょっとハズレ! これは残念寝太郎だ。

 
破籠井の航空写真を見ると、集落の奥の斜面に広がる棚田の
中央を、川の流れが分断している。

その形は、破籠(ワリゴ)という中央が仕切られた昔の弁当箱に
似ていない事もない。しかし、それはこじつけレベル。

棚田の中央の川には、高低差を利用して、所々に両側の田に
水を引き込む水路が設けられている。
SDSCF2898.jpg

水量は意外に多い。ドウドウと音をたてて勢いよく水が流れ下る
様子は、見ていて気持ちがいい。
SDSCF2918.jpg

現在の水路はコンクリート製だが、むかしは木や石だろう。
竹などでやぐらを組み、空中を渡していたかもしれない。

まさしく割井川。


いろいろ考えてみたが、破籠井の地名は意図的な改名
つけられた可能性が高いのではないかと感じた。


長崎では、川を言う「ごう」は、縮められて「ご」に限りなく
近くなる。

「わりいごう」の実際の発音は「わりいご」だったかも。

文字を一部の人しか使わなかった時代、「わりいご」と聞いて
人々は何を思い浮かべただろう?

「アミーゴ」だろうか? いや、違う気がする。

秋田県なら、ナマハゲの「わりいごはいねがァ!」だろう。
しかし当時の長崎では誰もそうは思わなかったはず。

やはり、弁当箱のワリゴではなかったか。


「わりいご」と呼ばれたこの村は、ワリゴのイメージが定着し、
通称ワリゴ村になっていったと思う。

こうなったら漢字も破籠にしようとなったが、「破籠川」と
書くと、わりいごうでは無く、わりごごうとしか読まない。

試しに、破と籠の間に、井を入れて「破井籠」にしてみる。

おお!読めないことも無いかも!

しかし、これではワリゴの意味が無くなり、ナンノコッタ
・ホンナコッタ・パンナコッタ
になってしまう! (←解析不能)


う~ん、しかたン無か! 「破籠川と書いてわりいごうでーす!」
と言い張って、強引に押し通そう!

つまり、当て逃げレベルの当て字をしたのではないか。


そして最終的に、破籠井(わりごい)になったのはなぜか。

まず、やはり破籠川や破籠江では、わりいごうと読めないため、
行政上も混乱が発生する。そのため、普通に読める名称にする
事が求められた。

それから、破籠川や破籠江では、川なのか村なのか、判断が
つかない
ため、判る名称にせよと、施政者のお達しがあった
のではないか。

確かに村名が○○川だと「あの人たち川に住んでるんだって~、
え~かわいそ~、ププッ」となる可能性が高い。


そこで考えたのが、
わりい・ごの、を末尾に入れ替え、わりご・いとする案!

シャッフルネーム・サンダースプラッシュ作戦と名付けた。

破籠井か!おおっ!よかたい!

割井川よりこっちが、オシリナリティーもあるばい!決定~!

こんなところでは無いかと思うのだが、どうだろうか。

SDSCF2930.jpg


どうせ、全然違うのだろう。


現在、新しい住宅地の造成が、破籠井町のすぐ側まで迫っている。
SDSCF1383.jpg

数百年もの間ずっと、隠れ里のようだった静かな山の集落も、
間もなく、新しい街から丸見えになってしまうらしい‥。


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マニアックな内容なのに、読んでくれてありがとピー!

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長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。 

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