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地名散歩 手熊 式見

長崎地名的散歩
06 /04 2017
長崎市の手熊(てぐま)町、式見(しきみ)町は、
一くくりに外海(そとめ)と呼ばれる西彼杵半島
西岸に位置する集落。


手熊は長崎のなんじゃそりゃ地名ベストテンの常連。
(そんなもんは無い)
式見は手作りの式見かまぼこで有名。

どちらも元は漁村で、ペーロン競漕も盛んと聞く。
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手熊の由来としては、むかしある年の暮れに不漁が続き、
困った漁師たちが空を見上げると「さかさまの熊手」が
舞い降りてきた、というような話は、一切無い。

(※ツッコミはセルフとなっております)

さて、まずは地形や状況から地名由来を考えてみよう。

手熊の「クマ」は曲がりくねった所、奥まった所という
意味があり、リアス式海岸の地形を指す場合もある。

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「テ」は、古代地名語源辞典に拠ると、高く突き出た所。
これは現地を見ればわかる。


式見のシキはたぶん、繰り返す・度重なるという意味の
「頻(し)く」「頻(しき)る」「しきりに~」という
言葉
が関係していると予想した。 

地層か何かが積み重なって見えるのだろう、と。

最初、海の中に並ぶ岩の事を言っているのかと思ったが、
これは式見に限らず近辺の集落にも見られる。
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こっちは手熊の海岸
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「ミ」は、クマと同様、ぐるっと回り込んだ地形という
意味がある。しかしこの場合は単なる接尾語かもしれない。


地質の事は詳しくないが、手熊と式見の間には断層があり、
海岸には、異なる地層が重なり合った「式見の不整合」
呼ばれる場所があるらしい。ふう~ん。

もしかして、それが式見の由来かもと思い、ネット検索
して写真を見るが、どう重なっているのか全く判らない。


これはもう、行くしかなかろう。


諫早からだと、高速からそのまま女神大橋を渡り福田から
行くのが早そうだが、貧乏なので、長崎バイパスを通って
市街地から山越えで柿泊(かきどまり)の海岸へ出る。


「柿泊」も変わった地名だが、地名のカキは「欠き」
意味である場合が多い。泊は港の事。
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「欠き・港」という前提で見ると、何か気付くだろう。
ちょっと考えてみてほしい。


まずは、手熊の道路公園にクルマを停めて、白髭(しらひげ)神社へ。

海岸にいきなり立つ絶壁の山。神社はこの上にある。
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ここは手熊の「テ」だろう。高く突き出した所のひとつ。

社殿にはお正月のようなしめ縄。
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風習の違いを感じる。

上から海岸を見下ろせるかと思ったが、イノシシ除けの柵が
あって先に進めない。ハチ合わせしたら危険だ。
マイクロ原子力銃を持って来ていなかったのであきらめた。

ここからは自転車でまわる。

集落左手の丘の上には、大きな浄水場がある。この高台も「テ」。


ここへの道は、谷の奥をぐる~りと回りこんで登って行く。
この地形は明らかに「クマ」
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浄水場のためでは無く、自然の地形に沿って作られた道だ。

よし、手熊は確かに「テグマ」地形だった!
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旧道のトンネルまで登ってみたが、露出していたはずの
断層崖の面は、コンクリートで覆われていた。

小学校の方へも行ってみたが、特に変わった地形はなかった。

そして、海岸沿いの国道トンネル入口付近へ。ここも「テ」。
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トンネルの向こうの式見まで海蝕崖が続いている。
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崖のえぐれた所を下からビビリながら見上げる。
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今にも落ちて来そうだが、触ると意外としっかりしている。
ゆっくりゆっくり崩落を続けているのだろう。

トンネルを抜けてすぐの海岸に「式見の不整合」がある。
干潮時には瀬を歩いて渡れると聞いたので時間を合せて来た。
私にしては珍しく計画的な行動だ。

わお、これはすごい迫力!崖が大崩落している。
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そばに高い防波堤があるが、特に入るなとも帰れとも書いてない。
よし行ってみよう。

近くで見るとますますすごい!
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斜めになった黒い岩石層の上に、ぐり石を含む黄土色の層が
重なっている。上の層は、火山角礫(れき)岩と言うらしい。
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なるほどこれが「式見の不整脈」とやらか。

う~ん、確かに重なってはいるが、これが地名由来とは思えない。
「しきる」と言うからには、もっと繰り返し重なる必要がある。

これはやっちまったかも!とんだ見当違いだったか?


海岸には手熊から断崖絶壁が続く。蝶ヶ崎と呼ばれている。
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断崖絶壁というと、子供の頃、後頭部が絶壁だったM君を思い出す。
今思えば変なあだ名をつけられてかわいそうだ。会って謝りたい。

この海中に屹立する岩礁は、昔見た気がするが、ほぼ忘れていた。
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頑張れば、にゃんこちゃんが振り向いているように見えない事もない。

「ふりむきにゃんこ岩」とか言い張れば観光資源になりそうだ。
「式見にゃんこ岩かまぼこ」を商標登録しておこう。


何か地名の手がかりがないかと海岸をうろつく。

ふと、そこらの岩礁を間近で見ると、薄~い層が幾重にも重なっている。
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「あーっ!こっ、これやぁ!これがシキミなんやでぇ~!」

思わず変な関西弁が口をついて出る。

大きなものに気を取られて、小さなものを見落としていた
ようだね明智くん!


もしやこの岩も?
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イエエエェェーース!「シキミ」!

漁港の防波堤奥の海岸。ここにもホ~ラ、「シキミ」。
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この岩礁は、 ワンコちゃんが座っているように見える
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「キツネ岩」と名付けた。


町の北端にある海岸にも行ってみる。崖っぷちに道があった。

ここの岩礁はデカイ!いわゆる千畳敷とかいうやつだろう。
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そしてやはり積層している。これもまた「シキミ」。
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別の鉱物の層がサンドウィッチされている。
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海岸の至るところに「シキミ」と思われる重なりを見つけた。

昔の人の観察眼には驚くことが多い。
式見の地名も、この幾重にも積み重なる不思議な鉱物を見て
つけられたのではなかっただろうか。


よ~し、納得。淡嶋(あわしま)神社に参拝して帰ろう。

路地裏にあった看板。冷凍食品の会社のようだが、
自信がなさそうに見えるのは何でだろう?
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式見の淡嶋神社はトンネルそばの高台。一番軽いギヤで登るが、
上の方は超激坂。前輪が浮いて後ろにコケる前にあきらめた。


淡島神社は雲仙市国見町にもあるが、主に女性のための神様。
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子授け、安産祈願のほか、人形供養も受け付けているそうだ。


神社前は公園になっている。
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子安観音像のようだが、乳丸出し。普通、観音様は中性。
これは、隠れキリシタンのマリア観音の形態だ。
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赤子が妙にリアルで七三分けなのがちょっと恐い。

この美しいブロンズ像は、船で遭難した人達を供養するもの。
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沖に、山が二ヶ所飛び出た島が見える。あれは何島だろう。
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調べるのが面倒なので、「サーバル島」と名付けた。

あとで地図を見たら神楽島(かぐらじま)だった。
カクラと言う地名は山地に多く、外部から隠れた場所か、
隠れて獲物を待ち伏せて狩りをした所と言われる。

この島で以前、狩りをしたかどうかはまったく知らないが、
地名から考えた場合、先日ここで発見された鉄球は、
近世に漁師が山の神へ奉納した可能性もある。
まあ、実際は戦勝祈願かな?

以上、手熊と式見の地名由来を考えてみた。

ここは地名以外にもいろいろ興味深い土地であると感じた。
また遊びついでに調査に行くとしよう。

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Ramblingbird

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