鳴滝の月玉神社?

長崎市鳴滝2丁目 片渕中学校の丘の中腹に、
月玉神社という変わった名の神社がある。

グーグルの地図で見つけた。

月玉神社なんて聞いたことが無い。読み方も不明。
昔の長崎の風流な文化から生まれた神様なのか?
ネット検索しても、ここの事しか出てこない。

グーグル以外の地図を見ても、月玉神社だ。
平成28年10月の、長崎史談会主催の史跡めぐりにも
月玉神社とあるので、間違いでは無いのだろう。

気になるので、以前、何かのついでに行ってみた。

階段を上がった崖の上に、それらしい建物があった。
1706DSCF8219.jpg

小じんまりとした社殿で、一見普通の家に見える。
隣の住宅とぴったりくっついていた。

これは鳥居の跡らしい。
1706DSCF8225.jpg

社殿正面の軒下に、それだけがちょっと古そうな神額。
建て替え時に、古い社殿からはずしたように思える。
1706DSCF8221C.jpg
右から、月 玉と彫られているようだ。

近所の人に話を聞きたかったが、夕方で誰も外にいない。
階段の町なので自転車も通らない。

他の用事もあってこの日は退却し、しばらく忘れていた。


ある日、また思い出して、この時に撮った神社の写真を
見ていたのだが、どうも何か引っかかる。

魚の骨だろうか。いや、違う気がする。

そうだ!
1706DSCF2546S.jpg

これは、「月」では無く、くずし字の「舟」だろう!

本当は舟玉神社ではないのか?


舟玉は、船霊(ふなだま)様と呼ばれる神様のこと。

船霊神社は全国にあり、元々は海上安全を祈願する神社。
舟玉、船玉、船魂などいろいろな書き方がある。

しかし、長崎では昔から、海の神様は金比羅神社だ。
諏訪神社の背後の山、金比羅山の上にある。
その他にもたくさんある。

船霊神社は県内には見当たらないが、漁民は、舟に
船霊様を乗せて安全祈願をしたという話を聞く。

諫早でも、漁をする小舟は、フナダマ様のご神体を
舟の専用スペースに納めていたそうだ。


ウ、ウエキ ゅペヂヤ^ー等によると、漁民の他、船員や
船大工
も船霊様を祀っていたらしい。

だが、ここは海からは離れている。
以前、この地域にまとまって移住した人達がいて、
先祖の祀る神様を勧請したのかも知れない。

これはよく調べてみないと判らない。

しかし、例えば神社が一度途絶えて再興したとしても、
神社の名が忘れられる事などあるのだろうか。
「舟玉」が「月玉」に変わる事が。

いずれにしても「金」ではなくて、本当によかった。


よ~し、これは再調査だ!

きょう、雨が上がったので行ってみた。
前回とほぼおなじ状態で、鳥居も無いまま。
1706DSCF2542.jpg


よく見ると、隣の家と社殿は中で続いているようだ。
当然、ここの家の人がお世話をしていたのだろう。


近所の人がいたので神社名を尋ねると、少し考えて、
やはり「月玉(つきたま)神社」だと答えた。

現在はもう、やめているとの事だ。

神社をやめると言うのも変な感じだが、氏神様では
なく、個人の方が祀られていた事がこれで判った。

やめたというのは、事情があるという事だろうし、
隣の家をわざわざ訪問するのは控えた。


手がかりを探していたら、社殿の裏にスペースがあり、
石塔が祀られているのが見えた。古そうだ。

1706DSCF2550.jpg

亨保十六年 一石一字経之塔 と彫ってある。
西暦だと1733年 徳川吉宗の時代。

一石一字経は、調べたら一般的には一字一石経と言い
お経の文字を一文字づつ沢山の小石に書いたもので、
それを埋めて塔を建て、何かの供養をしたらしい。

もうひとつの石塔は、所々しか読めなかったが、
横に、亨保十七年八月十九日とあった。

どちらも仏教関係のようだ。昔は神社も寺も一緒の、
神仏混淆(こんこう)というスタイルが普通だった。

やはり神社自体は古いものなのだろう。


谷の下に行ってみる。
1706DSCF2541.jpg

ここは県営住宅の廃墟だろう。長崎県マークがある。
1706DSCF2608.jpg

以前は県営バスの車体にもこのマークがついていた。

 
鳴滝川。雨上がりで水の音がドウドウと響いている。
低音が反響してうるさいくらい。
1706DSCF2595.jpg

昔は、平堰(ひらいで)と言う地名だったが、水が
落ちる音から「鳴滝」と名付けられたと言う。

地下水も多く、長崎大水害の時は被害が大きかった。


地元の年配の方に会ったので、神社のことを訊いてみた。

やはり名称は「月玉(つきたま)神社」だそうだ。

何十年か前まで、神社の隣の家の老夫婦が祀って
いたとの事だった。二人が亡くなってからは後を
引き継ぐ者がなく、祀られなくなったらしい。

誰が参拝に来ていたのかと訊いたら、

「船乗りさんたちが来ていた」との事だった!


イ、イエエエエエエエーーーース!!

やっパリ、ロンドン、ニューヨーク!(←昭和)

神額の通り、ここは舟玉神社だったに違いない!


けっこう短い間に名称が変わってしまったのは
驚きだが、こういう事もある事がわかった。


「フナダマ神社」だったのなら、長崎では珍しい
はずなので、民俗学的には貴重な例だろう。

無くなるのは仕方のない事だが、伝える事は出来る。
今のうちに記録を残しておいた方がいいと思う。


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