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地名散歩 布津(ふつ) 南島原市

長崎地名的散歩
03 /03 2021
 南島原市布津(ふつ)町は、雲仙岳南東の緩やかなすそ野に広がる田園地帯。
 
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対岸に肥後熊本を望む有明海の浜辺には、小さな漁港が点在する。
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 ユニクロも外食チェーンも、有名なドラッグストアも無いけれど、雲仙普賢岳をバックに広がる空の下、気分も大らかに過ごせる所だ。※ダイソーはある!
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 布津の地名の由来については、納得できそうな説を聞かない。調べてダメなら考えよう。 

「ふつ」は、物が切れる音や様子を表す古い言葉だ。

ふつと
ふつに
ふつりと
ふっつりと糸が切れる
ふっつりと更新が止まった散歩記‥ (^_^;) ← おっさんぽい顔文字

 日本書紀に登場する、経津主命(フツヌシノミコト)という戦闘神の名は、刀を振った時のフッ!という風切り音に拠るもので、刀剣を神格化した神とも言われている。

 千葉県富津(ふっつ)市の地名は、東京湾入り口に突き出した細長い岬が、鋭い剣のように見えるため、フツヌシに因んでつけられたという説がある。
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  国土地理院地図より

「ふつり」は、現在では、プツリ、プッツンと言うが、古代日本では、ハ行はパピプペポと発音したので、元々は「プツリ」と言っていたかもしれない。

 ちなみに、グリコのプリッツは、プッツリと噛み折るからではなく、西洋のプレッツェルというお菓子が由来であり、残念ながらプツリとは無関係。ポッキーの方が、「ポキッと折る」からだそうだ。
 わざわざこれを書くのは、「プリッツはもしかして?」と、調べたが違っていて悔しかったからでは、決してない。


 フツ地名のその他の可能性としては、湯や水がふつふつ沸く(湧く)、という意味のフツがある。布津町にも小さな湧水は所々にあるが、湧水でフツという地名も聞かないし、それが土地全体を表わす地名にまでなったとも考えにくい。
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 いろいろ慎重かつテキトーに調べてみたが、布津という地名は、やはり断ち切るという意味の「フツ」が由来だろうと、たわしは考えている。

なぁ ─── んでかっ!

それはね~ それはね~

 布津町は、雲仙岳中腹から海岸まで続く「布津断層」の崖の段差で、土地が左右に、フッツリ!と断ち切られているから。
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  Googleマップ 3D地図より

 千葉県富津市の岬も、古い航空写真では、岬から離れた小島まで砂州が伸びており、東京湾入口を、内外にふっつりと分断しているとも言えそうだ。

至って単純な理由だが、地名を決める動機としてはじゅうぶんアリだと思う。

じゅうぶんアリと言っても、アリの種類じゃあないんで、昆虫図鑑を探しても無駄ですぜ、旦那。


 布津の断層は、島原半島の中央部を東西に走る
「雲仙地溝(うんぜんちこう)」の、段差のキワに当る。
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 間違って、雲仙恥‥  いや、何でもない。

 Googleの3Dマップを見ると地形の状況がよく判るのだが、布津断層全体を見渡せるような高い場所が周辺に無く、通りすがりの者は、その特殊な地形にはちょっと気づきにくい。
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 となり町の深江町との境界部分には「深江断層」があり、崖の上側が布津町。そこから1kmくらい先に、布津断層が並行に並んでいる。つまり、布津は大きな段差が二つもある、階段状の丘という事になる。

 島原半島は、雲仙岳を中心とした火山島のような地形であり、山から海岸まで尾根が長く伸びている所が各地にある。半島西側の海岸は、千々石(ちぢわ)断層を始め、高く垂直な崖が続いていて壮観だ。

 しかし、大きな段差で土地が左右に断ち切られた地形状況は、布津の他には見当たらない。

 そういう、フッツリと切られた土地なので、フツと呼ばれたのではないだろうか‥。
 いうのが、今回のお話しじゃったげな。 そいばっかい、ばんねみどん。


 ついでに、布津町近辺で見つけた、変ちくりんこな小字地名を見てみよう。

・鼾野(いびきの) 布津町坂下、貝津
  32°41'37.5"N 130°20'00.5"E

 旅人がこの土地を通ると、原因不明の睡魔に襲われて眠りこけ、ンガグォオ~と高鼾をかくわけではない。 
 「井」は水のこと。”井引き野"で「水を引き込む野っぱら」となる。
 ここは両側を谷川に挟まれた高燥な丘の上で、通常は水が無い。農業用水・生活用水を確保するため、傾斜地の高低差で川から水を引き込むトイ、「井樋(いび)」を設置した所ではなかったか。

・納豆(なっとう) 布津町貝津
  32°40'55.1"N 130°20'38.7"E

 斜面地の畑の真ん中にあり、本物の納豆と関係がありそうな、なっとうくのいく答えは見つからない。
 ああそうさ!つまらないさ!!
 「トウ」は地名では池や堤防のことを指すことが多い。現地をよく見ると、どうも一部が池だったような一画があり、そのすぐ下からいきなり水路が始まっている。湧き水や雨水が溜まる場所だったのではないか。そして「ナツ」は「泥(なず)み」で、泥水の溜まったような池「ナツトウ」だったのかもしれない。

・弁当場(べんとうば) 深江町古江
 32.712526, 130.330915

 深江断層上方の森の中。畦別当(あぜべっとう)の回でも弁当という地名があったが、ここもやはり地形的に「隠れて見えない土地」であり、「ベットウ」の変化と思われる。


 布津町は、島原半島の中でも、高速道路の諫早ICから一番遠い位置にある。後継者不足で衰退する農業・漁業に替わる産業が必要だが、その不便な立地のため、企業の誘致も進まないと聞く。

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 建設中の、島原道路の早い全線開通が待たれる。
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Ramblingbird

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