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やっとかもめに乗った

日々の事
06 /18 2023

 去年の9月、ウチのよく出来た嫁様が、西九州新幹線かもめの試乗会に応募し、見事当選!!万歳しながら奇声をあげて踊りまくった。


 唐草模様の風呂敷包みに竹の皮の弁当入れと、準備万端整えて正座して当日を待っていたが、台風14号の雲古野郎のせいで、まさかの中止!

 これは完全にガッカリ八兵衛だ。わたしが子どもだったら、グレてよっちゃんイカやうまい棒を万引きしていただろう。
 仕方がないので、諫早図書館のかもめ号に乗ったが、ベニヤ板だし動かないし、ただ虚しいだけだった。(乗ろうと思うな)
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 その後、「よかけん一遍、冥土のみやげにかもめに乗ろうで」と話していたのだが、諸般の事情でなかなか行き出さずにいた。


 しかし!今回、仕事とは言え、やっとこさ、ひょっとこさ、かもめ号にご乗車の運びと相なった。しかも仕事なので無料!苦節9ヶ月、ようやく掴んだこの機を逃すな!無人在来線爆弾、全車投入!! (勢いで書いてるだけなので無視してよし)


 そういう訳で、新幹線に乗って一泊二日の京都出張に行ってきた。今回は強行軍なので、寺いっちょ見るヒマもなかったのだが、新しい新幹線を体験できてよかった。
 ハッ!まてよ。新幹線は「新しい幹線」なので、「新しい新幹線」というのは変ではないか?
 だからといって、古くても「古幹線」や「旧幹線」とは言わない。古くなったら一体どうすればいいんだろう。(いや知るか)

 諫早駅は、新幹線ホームが地上の高さにあるのが珍しいのだそうだ。

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だが、正面の東口から入ると、3階まで上った所に切符売り場があり、改札を入って1階下に降りたところにホームがある。でもそこは2階ではない。

 妖怪ビルのようだが、諫早駅の線路は元々、河岸段丘の上のような一段高い位置にあり、東口は坂だったため、平地にしたら段差が増えて変な構造になったのだろう。


 ホームを出発した先は、高架線路への登り坂になっていて、ちょっと銀河鉄道っぽい。

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 とても大きな都会の駅のようだが、駅は左の部分だけで、右半分の大きい方はホテル。

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 田舎の小金持ちが、自分を大きく見せようと見栄をはるのを思い出した。 


 とにかく、同僚とふたりで、諫早駅を11時54分発のかもめ24号に乗って、えっ?運休?

 
 架線に飛来物が引っかかったため点検とかで、いきなりの運休だ!ワオ!なんて幸先のよいスタートだろう!


 実は先月も、仕事で熊本の取引先へフェリーで行く事になり、島原外港に着くと、乗る予定の便が霧で運休になっていて、皆で呆然とした。

 結局、国見の多比良港まで戻って有明フェリーで渡った。


 う〜ん、しかし2回連続で運休とは、たわしは変な能力を得てしまったのではないか。

ようし、来月は何を運休させてやろうか。ウヒョヒョヒョヒョ!

 出張一日目は移動だけなので、一本遅れても仕事に支障はない。夕方の自由時間が短くなるだけだ。山勝食堂で少し早めの昼ごはんを食べて次の便に乗った。

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 自分は鉄道の事はサッパリなのだが、かもめはN700S系という車両らしい。車体も線路も新しいためか、発車も停止もすごくスムーズで乗り心地がよく快適だ。

 とても蒸気機関で石炭を焚いて走っているとは思えなかった。(走ってねえよ)


 ヒュイ〜ンというターボ車みたいなモーター音が聞こえるが、耳障りではなく心地よい響きだ。 
 あまりに快適だったため、武雄温泉駅で乗り換えたグレーのリレーかもめは、昭和の鈍行列車かと思うほどの落差があった。
 以前の「白いかもめ」とはまた違うのか、発車の瞬間、ガクンガクンと前後に大きく揺れ、全員、首が張り子のトラのようになってしまう。減速時も同様だ。


 在来線規格の古い線路なので、仕方ないところはあるのだろうが、走行中は横にもけっこう揺れ、線路の継ぎ目か何か知らないが、「ンガッ!」と大きく振られ、窓に側頭部をぶつけそうになる。赤ん坊は首がよく座ってから乗せたほうがいいだろう。

 スマホで書き物をしていると、揺れて画面のキーをちゃんと打てず、「たSじぇのSMでTWんぢふぁ」とかなるので、途中であきらめた。新幹線では全然問題なかった。


 武雄温泉駅での乗り換えはやはり面倒だし、繁忙期には自由席の奪い合いになるだろうし、早く全線フル規格にしないと「佐賀の張り子のトラ列車」などと変な評判が立って‥、ハッ!もしかして、国がわざと、佐賀に揺れる列車を‥


 佐賀県がカネをしぶるのが悪いような言われ方もされているが、メリットが無いものに大金を出したくないのは当然だろう。しかも約束と違う事を勝手に進められれば。

 佐賀にも観光資源はいろいろあるし、安くて広い土地もあるはずので、それを活かせるように国が民間と協力して先導するくらいの事をすればよさそうに思うのだが、どうなのだろうか。


 自分は、佐賀平野の「遠くにかすむ山並みを見渡す風景」が好きだし、有明海の干拓地や干潟の「異世界な雰囲気」を楽しむために時々訪れる。美味い日本酒もあるし、自分が知る限り人も親切だ。

 ただ、その辺りには新幹線は通らない。(イヤミか)


 博多で山陽新幹線のぞみ号に乗り換える。車両は同じようなタイプだったが、ヒューンという音はあまり聞こえなかった。もちろん快適だったが、かもめの方が、スムーズで滑らかなように感じた。

 新しいからだろうか。

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 京都の宿には18時頃に到着。歩いて移動するだけで汗だくになった。翌日、朝から現場へ調査に行き、イヤというほど歩かされてまた汗だくになった。当日中に帰る予定だったのだが、責任者が残業すると言い出した。

 それではもう1泊するしかなくなる。しかも汗だくの汚れたパンツしか無い。裏返して使用する訳にもいかず、履いていても安心できない!

 次の日に朝からやる仕事もいっぱいあったので、もう一人を人質に残して自分だけ当日中に帰ることにした。


 ひとりで知らない街を移動するのは苦手ではないが、時間の余裕がないとやはり不安はある。昔は車掌さんや駅員さんに必死で確認していたが、今はスマホがあるので、時刻表も路線も、駅の構内図も見れるし何とかなる。

 しかも!いざとなったら、電話をかける事もできる!

 もう、わしらの時代は終わったということだ。


 18時02分発の、のぞみ77号に乗れば、22時24分には諫早に帰れる。ただ、新神戸と新鳥栖と武雄温泉駅の3箇所で乗り換えになる。

 最初に予定していた便は23時30分頃の諫早着だったので、家に着くのは翌日だ。やはり少しでも早く帰って、脱水症状の体に、冷たくてシュワシュワした飲み物を注ぎ込みたい!!


 京都駅の切符売り場のおねえさんに、のぞみ77号の乗り換えは大変だろうかとネイティブな長崎弁で聞いたら、田舎モンと察して乗り換え駅と時刻が判るレシートのような紙を印刷して説明してくれた。これさえあれば大丈夫だ。ありがとう!

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 帰り着くまでに何度も確認したので、ボロボロ。


 一応、会社用に京都のみやげを買おうかとお菓子を探したが、「おたべ」のようなものばかりで、みんなで分けられるものが見つからずあきらめた。結局、家用の水なすのしょうゆ漬けを1個だけ買った。


 京都駅では、早速、自由席の号車をひとつ間違えて指定席のところに並び、歩きすぎて足が痛いのに座れなかった。
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 通路に寝転がって、座っている人を下から凝視してやろうかと思ったが、新大阪駅で人がいっぱい降りたので座ることができた。

 
 次の新神戸で、早くも乗り換え。ここからは、九州新幹線さくら569号。かもめとは少し形が違うN700系という車両で、うすい水色をしている。

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 乗り心地は他のタイプの車両と大差はなく、快適だった。ただ、窓が汚れて外がよく見えなかった。外の写真を撮ろうとスマホを窓に近づけたら、
「レンズを拭け」みたいな事をスマホに言われた。


 新幹線自体は快適なのだが、周りのあちこちから
「プシュ!」という、冷たくてシュワシュワな飲み物を開ける音が聞こえてくるのが静かな拷問だった。
 すぐ後ろの席で聞こえた時は、麦の香りまで漂ってきたので、口をつける前に奪ってペロペロしてやろうかと思った。
 クルマを会社に置いているので、残念だが今は飲めない。般若心経を唱えて耐え、ぬるくなった残り物のお茶を飲んだ。

 次の乗り換えは、佐賀の新鳥栖駅。21時13分に着く予定。疲れていたのでちょっとうとうとしたが、乗り過ごしたら鹿児島まで行ってしまう!それは非常に困るでごわす!


 もうすっかり暗くなってきた。九州新幹線さくらは矢のように走り続け、
新鳥栖に着く。鳥栖(とす)の英語のアナウンスが「トゥース」と聞こえてちょっと面白かった。

 ここの駅舎は長崎本線と九州新幹線がクロスしているだけのシンプルな構造。


 鳥栖は高速道路のジャンクションもあり、昔から交通の要衝なのだろう。地形を見ると、けっこう古代から分岐点だったように思えるが、大きな遺跡とかは出ないのだろうか。


 リレーかもめは、前日と同じグレーの張り子のトラ列車だった。ヘッドバンギングしながら武雄温泉駅へ向かった。あともう少しでうちへ帰れる。


 再び、西九州新幹線かもめに乗り換え。乗り換えはこれが最後だ。
乗客が少ないのは判っていたが、後ろを振り向くと本当にガラガラだった。島原鉄道かと思った。

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 うーん、業績は順調という話だったが、本当にこれで利益が出ているのだろうか?


 リレーかもめから新幹線かもめに乗り換えると、やはり乗り心地の良さが際立つ。軽トラと日産セドリック
(昭和か!)くらいの差に思える。あとから思い返してみたが、横に揺れたという記憶がない。
 かもめの座席は、山陽新幹線、九州新幹線と比べてホールド感がよい気がした。リレーかもめが間に入って、ちょっと比較しにくいが・・。
 そして、やはり他の新幹線と違って、ヒューンという音が聞こえる。


 ただひとつ、 夜のかもめは、照明がめちゃくちゃ明るくて落ち着かない。もう少し暖色系にして照度を落としたほうが旅の気分は出る。
※実際はもっと明るい。
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 これくらいが落ち着く。(昭和か!)

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 ずっと新幹線自体に乗る機会がなく、今回、たぶん十数年以上振りの乗車だった。シーズンオフの平日だったので自由席でほとんど座って行けた。

 長崎に新幹線などいらんだろうと、試乗会に当選するまでは思っていたが、こんなに快適ならこれもアリかと思えるようになった。

 自転車を積んで尾道まで行き、しまなみ海道を走ったりという使い方も出来そうだ。


 ただ、張り子のトラ列車は勘弁してほしいので、こうなったら、国民の税金で私腹を肥やす連中を成敗するなどして、何とかかもめのフル規格全線開通を実現してほしい。


 22時24分、路線バスに乗っているかのように、アッという間に
諫早駅に着いた。
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 駅まで家族に迎えに来てもらい、会社へ自分のクルマを取りに行った。だが、まだ大事な仕事が残っている。
 今すぐにセブンイレブンへ行って、冷たいシュワシュワの飲み物を買わなければ!



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Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。