fc2ブログ

早杉益蔵! ヤマハ RZ50

原チャリ風雲録
10 /10 2013
1980年代

当時、排気量50ccの原付一種もハイパワー競争が盛んで
各メーカーは、こぞってバカっ速いモデルを出していた。

ヤマハはRZ50。
RZ50A.jpg


パワーは自主規制上限の7.2PS。法定速度30km/hに対して
全く意味なし芳一のハイパワーだ。

この頃ヤマハはRZ350、RZ250という、やかましくて煙たくて
メチャクチャ速い2ストバイクを造っていて大人気だった。

そのうちにRZ125、原付一種のRZ50までが加わった。

とにかく、カッチョいいので乗りたかった。それだけだった。
貯金をおろして買った。ゴキブリベルーガもまだ持っていたが
別物と考えていた。

実際、走りはまったくの別物だった。

ギヤ付きのバイクは周りの誰も持ってなかったので、クラッチ
というものが何なのかすら解ってなかった。
こすって当てる宝くじかな?と思った。

バイク屋さんは近所だったので、買った日は乗ることができず
押して帰ったはずだが、よく考えるとその場で簡単なレクチャー
を受けて裏道をエンストしながら乗って帰ったような気もする。

近くに広場とかはなかったので、練習は路上でしていたのだろう。


原付一種の最高速度は今でも30km/hだが、守る者はいなかった。
交通量の多い都会の国道を、30km/hで走るのは却って危険だ。

原付にしても自転車にしても、意味不明で可笑しな法律が多い。


とにかくこのようなバイクは、実技もない原付免許取りたての
若者が乗るには危険過ぎる代物だった。

まだリミッターというものはついて無かったのだろう。
最高速は80km/h以上は軽く出ていたはずだ。

70km/hを超えると、フワッと接地感が無くなり、浮いているような
感じだった。薄気味が悪かった。何かに乗り上げたら死ヌナと思った。

スピードを出すと、エンジン音は普通の原付とは別物だった。
ミーーーーーーーーーという耳鳴りみたいな音しか聞こえなかった。

走っているとだんだん現実感が無くなってきて、実はもう事故って
死んでいるのではないかという錯覚に陥りそうだった。

ウイリーとかアクセルターンとか派手な遊びを練習した。
ミャンミャン言わせて走り回った。近所のひとはさぞ迷惑だったろう。

ある日、
渋滞した国道1号線の左端を、何も考えずアクセル全開で走っていた。
先の方に、右折して横切る対向車が見えた。

ブレーキをかけた。
クルマは歩道に進入せず、そこに停まって進路を塞いでいた。

「止まれーっ!」

祈るしかなかった。

「南無観世音菩薩!」

「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」

「アビラウンケンソワカ!」

「怨敵退散!怨敵退散!」

「エコエコアザラク!エコエコザメラク!」

「おかあさ~ん!」

そんな余裕はなかった。

フルブレーキでタイヤはロックし、滑って横になったまま
RZ50はクルマの横っ腹に激突した。

自分は遅れて空中を飛んでいき、不思議な事に直前で半回転して
背中からクルマのドアに突っ込んだ。

「バルス!」と音がした。

一瞬の事だった。たぶん最初は70km/hくらい出ていただろう。

バイクは、ライトとミラーが割れてフロントフォークが
くにゃりと曲がっていた。

ノーヘルだったが、奇跡的に足首の捻挫だけで済んだ。
コケるのは意外とうまいかもと思った。

とんでもないスピードで走っていたにも拘わらず、保険で
100%修理代が出た。それからはちょっと大人しくなった。

それにしても危険な日々であったことは間違いない。
外環状線などでは、よく若者がバイクで亡くなっていた。


その後、RZ50は盗まれて部品をはずされ、クリークに投げ
捨てられていた。口を開けたまま3分ほど呆然とした。

半分、水に浸かっていた。
マフラーが水の中で光にキラキラ反射してキレイだった。

散々ひとに迷惑をかけたツケだろう。因果応報だ。


でももしかしたら、これで死なずに済んだのかもしれない。
先祖は大事にしないといけないと思った。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

No title

はやすぎますぞう様

僕わどちらかというと意外とバイクに興味があるかどうかは簡単には教えることができません。

なぜかというと、写真を載せるときに目を隠すのが流行ってるからです。

そこまで言うなら教えますが、もしももじ先輩だったら、前ブレーキを力一杯握って、前方宙返りをして、サドルが背中に当たりましたか?

そこでひつもん?ですが、友達のおととは、バイクで軽虎と正面衝突して、フロントガラスから入って、後ろを見るための小窓に頭が突き刺さって止まりましたか?

しかもヘルメットは肘に下げてたので、役に立ちましたか?

2ヶ月入院しましたか?

ふ○のり君は、当時一番速い頭突きのRG50で、先頭を切って走って、後ろをバックミラーで見ながらそのまま海に落ちましたか?

先頭を走ると危ないですか?

長崎は島国なので、何かあると海に落ちますか?

安全運転しないと危ないですか?

それでは、旦那様の前をテーラーが横切りますやうに。

                       GT50 きねお

Re: No title

仮面ダイバー サイコロン号様

裸足は生姜臭せえの朱鷺、じれんしゃで坂を銭湯で登っていて
「君たち遅いぢゃないか!早く来たまへハハハハ」と後を向いて
言った瞬間、停まっていた軽トラの荷台に突っ込みました。
フロントホークがうにょっと曲がりました。ゼンリンを引っぱって
元に戻しました。鶏虎を便小しようと小銭を出しましたが、
毛糸らのおっちゃんは「よかよか」と許してくれたので文無しを
免れました。

感動しましたか?
お礼はいりませんが、お札はいただきます。
オーレイ!はいりませんが、ユーレイもいりません。

それでは季節の季節の代わり目で頭がおかしくならぬよう、
ご自慰ください。

かし子

Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。