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Sの伝説 黄昏の食堂で

事件ファイル
10 /19 2013
以前、同じ会社で働いていた友人S(仮名)は、いいやつだが、
自他共に認める町一番の大馬鹿野郎だった。
年下だが気が合うので、対等の付き合いをしていた。

これまで残してきた数々の伝説を、歴史の闇に埋もれさせて
しまうのは大変惜しい。

その一部をここで紹介することにしよう。


ある日の夕方の事、私は会社で仕事をしていて、現場から
事務所へ向かうところだった。食堂を通るのが近道だった。

階段を登り、開け放したドアから食堂へ入る。

秋の夕陽が部屋いっぱいに差し込み、並んだテーブルを
朱く染めていた。

l201211200600TA.jpg

窓辺に置かれたアレカヤシの影が、長く伸びていた。

眩しさに少し目を細めると、奥の方の薄暗い所に
誰かが後ろ向きに立っているのが見える。

背格好でSだと判った。

何をしているのだろうと思ってよく見ると、Sは、誰かが
昼に食べなかった弁当のフタを開けて、
おかずをつまみ食いしていた。

三十近い男が、残りものをつまみ食い‥。

私は呆れて「ねまっとる(腐ってる)かもしれんぞ!」と言う。

Sは、犯行の一部始終を目撃されて恥ずかしかったのか、
おかずの卵焼きを口いっぱいに頬張ったままニコニコ笑い、

「な~んも考えとらんも~~~ん」と言って、
阿波踊りを踊りながら、私の前をゆっくりと通り過ぎて行った。


やはり百年に一度の大馬鹿野郎なのだと改めて思った。
一期一会。
神様ありがとう。こんな大馬鹿者に会わせてくれて。

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Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。