fc2ブログ

Sの伝説 休日出勤の昼食

事件ファイル
10 /21 2013
仕事が忙しくなると休日も出勤する事になるのだが、
昼食の仕出し弁当は、人数が少ない時は注文しない。

手弁当でない者は、それぞれ外に買いに行ったり
朝から途中で買ってきたりする。


Sはひとり、きょうは中華の出前を取ると言い出した。

okamoti.jpg

物凄く不吉な予感がしたが、とても楽しみにしている
ようなので、誰もとめなかった。

ラーメンは早く来たら伸びるからよせと助言してやる。
悩んだあげく、Sは中華丼と焼きそばを頼んだ。

ご飯と麺以外の具材は、ほとんど同じだった。

当時の仕事場は一階で、ドアの外はすぐ公道に面していた。
出前はこのドアから入ってもらうように言った。


11時を過ぎた頃から、どうもSの様子がおかしい。
そわそわして、しきりにドアの方を気にしている。

まさかと思い、「出前はまだ来んぞ」と言ったら、
真顔で「まだ来んかな~」と答えた。

本当にもう待ちわびていた。

「当り前やっか!昼ちょっと前ぐらいに来るさ!」

「まだ11時やっか!こげん早う来んもんか!」

「そうさ、よかけん早よ仕事せろ!」

みんなに散々言われてSは仕事を続けたが、その後も
時々ちらっちらっと、時計とドアを交互に見ていた。

出前は予想よりも早く、11時42分頃に届いた。
Sは、にこにこして代金を払い、中華丼と焼きそばを
窓際の机の上においた。

chukadon.jpg


Sは、名残り惜しそうに料理の方を見ながら仕事に戻ったが、
いつの間にかまた、中華丼と焼きそばの前をうろうろしている。

料理はラップをかけてあるだけなので、丸見えだった。
気になって気になってしょうがないらしい。

美味しそうな匂いも漂っている。
匂いに引き寄せられてふらふらと近づいたのだろうか。

「まーだ昼じゃなかぞ!」と言われ、のろのろと持ち場に戻る。

ところが、しばらくするとまた料理の前に立っている。
今度はラップの上に手をかざして「冷えんかなあ~」と言う。

「ダンボールでもかぶせとけ!」

その後もSはダンボールの方をチラ見しながら一応手は動かし、
やっと昼のチャイムが鳴った。

結局、Sは小一時間、全く仕事に集中することが出来なかった。
まるで子供、というより犬だった。

冷めた中華料理を「うまかうまか」と幸せそうに食べるS。

以前、幼い頃に乳母車から落ちて頭を打ち、バカになったと
自分でよく言っていた。

もう一回打ったほうが良いのかもしれない。

スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

Ramblingbird

長崎南部の自転車散歩やどうでもいい出来事を、小学生ギャグを交えて書き散らします。お下劣な表現を含みますのでご注意下さい。